今生

 移ろい巡って、葉っぱも落ちた。

 みんなの真っ白な服は入学当初の真っ黒な服に変わっている。

 なんとなく、太陽が沈むのも早くなったか。


 私の中ではみんなが手を取り合ってわちゃわちゃと騒いでいる。

 私はそれを見るだけ。

 たとえこれが今生の別れでも。


 どこかの物好きがまた帰ってきてくれたりはしないかな。

 そうやって別れの度に思って、次の季節には新しいみんなを受け入れちゃうのだから、なかなかどうして、私は罪な存在なのかも。


 キーンコーン カーンコーン


 ありがとうございました。


 ありがとう。さようなら。

 せいぜい私の頭を踏んずけて元気な次の四季を。


 みんなは晴れやかな顔で私から出ていく。そう、みんなはまだ会えるから。

 私だけが唯、この寂しさを少しだけ引きずるんだ。

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