幸せ

 季節は巡り巡って、いくつもの景色を眺めて。

 騒々しさや虫の音、ある時には鳩にぶつかられた時もあったっけ。

 木の葉が緑になるときの太陽はいまだに好けないな。


 そういえば、みんなの服もいつの間にか変わっていた。黒と白だけじゃないうっすら茶色かかった、私の板の間とおそろいの色。


 どたどたと、私の上で足音が響く。

 この騒がしさは私を寂しがらせたみんなのものも混じっているだろう。

 全く、ずっと私の頭を踏んずけて。


 キーンコーン カーンコーン


 起立、礼。よろしくお願いします。


 ふうん、みんなは少しだけおとなしそうかな。


 でもね、私にはみんなのくすぶった熱気が見え見えだよ。

 ふふ、みんなの化けの皮はいつ剝がれるだろうね。

 私は唯、この愛しい騒々しさを抱きしめている。

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