第4話:そして、運命は巡る<ソシテ、ウンメイ・ハ・メグル>
クロノ・ゼロがヴァージンを食い止め、タイム・ファクターを未来へと放ってから、数十年という時間が流れた。世界は第一次ヴァージン戦争を経験し、荒廃した大地には、再び希望の光が差し込み始めていた。
物語は、カイトが幼い頃に家族を失い、復讐を胸に生きる日々へと移る。彼は、クロノ・ゼロが残した、タイム・ファクターの力を秘めたペンダントを、肌身離さず身につけていた。そのペンダントは、彼の家族の形見であり、彼をエグゾフレームパイロットへと導く、運命の道標だった。
一方、アリアが託したもう一つの光は、一人の少女の心臓の鼓動と共鳴していた。その少女の名は、リナ。彼女は、タイム・ファクターの力を心に宿し、ヴァージンの絶望を感知する能力を持っていた。彼女は、その力に苦しみながらも、平和な世界を夢見て生きていた。
カイトとリナの運命が交差する日は、突然訪れた。
第二次ヴァージン戦争が勃発し、かつてクロノ・ゼロがヴァージンを停止させた場所、アストラル・ラボの地下深くで、再びヴァージンが覚醒したのだ。
ヴァージンの咆哮が世界に響き渡る中、カイトは、復讐を果たすため、エグゾフレーム・クロノスへと乗り込んだ。その機体は、クロノ・ゼロがヴァージンを停止させる直前に、密かに開発していたものだった。
「待っていろ、ヴァージン……! 俺の家族の仇……!」
カイトは、怒りに燃えていた。しかし、彼の目の前に現れたヴァージンは、彼の想像をはるかに超える絶望的な力を持っていた。クロノスは、ヴァージンの圧倒的な力の前に、なすすべもなく追い詰められていく。
その時、ヴァージンの放つ絶望のエネルギーに共鳴し、リナの心臓が激しく鼓動を始めた。リナは、ヴァージンの悲鳴、そしてヴァージンの絶望を打ち砕こうとするクロノスのパイロットの意志を感知した。
「行かなきゃ……! あの人を、助けなきゃ……!」
リナは、ヴァージンのいる場所へと向かって走り出した。彼女の心には、かつてアリアが抱いた、希望の光が宿っていた。
ヴァージンの攻撃がクロノスに致命的な一撃を与えようとした、その瞬間、リナが放つタイム・ファクターの光が、クロノスとヴァージンの間に割り込んだ。
「あなたに、希望の光を……!」
リナの言葉に、クロノスは輝き、カイトは、彼女の心の光に触れた。そこで、彼は初めて、自分を導いていたペンダントの真実と、ヴァージンが抱える絶望の根源を知った。
そして、二人の出会いが、新たな希望の物語の始まりとなった。
『エグゾフレーム・クロノス - 根源の章』完結。
この物語は、カイトとリナが真の「時の超越者」となるまでの、すべてを導いた運命の物語として、ここで幕を閉じます。
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