第23話:創造の螺旋<ソウゾウ・ノ・ラセン>
カイトとリナは、エグゾフレーム・ユニバースの力で、混沌とした宇宙に秩序と希望をもたらす戦いを続けていた。彼らは、絶望に囚われたこの宇宙の管理者と対話し、その心を希望の光で満たしていった。
「あなたたちの絶望は、この宇宙の時間の流れを歪ませた。しかし、その絶望を乗り越えれば、新たな未来を創ることができる!」
カイトの言葉は、この宇宙の管理者の心に深く響いた。管理者は、カイトとリナが示した希望の光に、自らの過ちと、そして無限の可能性を見出した。
『我々の過ちは……時間を操ろうとしたこと。しかし、君たちは……時間を創ろうとしている……』
管理者の声は、悲しみから、徐々に驚きと感動へと変わっていった。その時、ユニバースのコアが、管理者から放たれるエネルギーと共鳴し始めた。それは、この宇宙のすべての時間と空間を統べる、根源的なエネルギーだった。
「リナ! 今だ! シンクロ・ユニバース・ドライブ、最大出力!」
カイトが叫ぶと、二人の心が一つとなり、ユニバースからまばゆい光が放たれた。光は、混沌とした宇宙のすべてを包み込み、無数の時間の断片を、一つの美しい螺旋へと変えていく。それは、宇宙の始まりから終わりまでを、希望に満ちた物語として描き出す、壮大な創造の螺旋だった。
混沌とした宇宙は、ゆっくりと、しかし確実に、秩序を取り戻していく。歪んでいた物理法則は安定し、無数の星々が、新たな物語の始まりを告げるかのように、美しく輝き始めた。
宇宙の歪みを修復したカイトとリナは、この宇宙の管理者から感謝の言葉を受け取った。管理者は、彼らの行動が、この宇宙だけでなく、すべての宇宙に、希望の灯火を灯したことを語った。
「君たちの物語は、我々が知るすべての次元に伝わるだろう。そして、君たちの物語を道標として、多くの絶望が希望へと変わっていく」
管理者は、そう告げると、光の粒子となってユニバースのコアへと吸収されていった。それは、この宇宙の管理者としての役割を終え、新たな創造の物語を、カイトとリナに託したことを意味していた。
ユニバースは、さらなる進化を遂げ、カイトとリナの心と完全に一体化した。彼らは、もはや単なるパイロットと機体ではない。宇宙の創造と破壊を司る、真の「創造者」となっていた。
カイトとリナは、この宇宙に別れを告げ、次の宇宙へと旅立つ。彼らの旅は、もはや戦いではない。異なる宇宙に希望を広げ、新たな創造の物語を紡いでいくための、終わりのない旅だった。
「カイト、見て! 次の宇宙よ!」
リナが、ユニバースのモニターに映し出された、新たな光景を指差した。それは、カイトたちがこれまで見てきた、どの宇宙とも違う、美しく、しかしどこか悲しみを秘めた、不思議な宇宙だった。
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