第47話 駿と夫婦(最終話)

 康平が撮った動画は、一応、警察と学校に見せて通報した。警察からは、康平は、「やりすぎです。事前に警察に相談してください。」

 と注意はされたが、おとがめなしだった。

 関係の中学生男女は、相応の施設に送られたり、転校したりしたらしい。


「行ってきます。」

「おう、行ってらっしゃい。」

 駿の再登校を夫婦で見送った。私たちは、柄にもなく手をつないで、駿の背中を見送った。

 数日後、嬉しい出来事が起きた。

「かあちゃん。今日、安藤美加から呼び出された。」

「本物の?」

「うん。本物の。」

「そ、それで?」


 呼び出された駿に美加は、言ったそうだ。

「ごめんね。駿君。私、駿君から告白されて嬉しかったの。でも、あの人たちが、私が告白されたって聞きつけてきて、背が低いの、子どもっぽいから断れって言われて・・。本当は好きだったの。」

駿は、小さくてカワイイ系だったので何かといじられていたみたいだ。

「じゃあ?」

「うん。付き合ってくれませんか?私と。」

「ありがとう。お願いします!」


「マジか!やったな駿。」

「よかったね。」

 私たちも自分のことのように喜んだ。美加ちゃんは、髪の長い長身の美少女だった。なんと駿も不登校の間、二次性徴が始まって、ぐんぐん背が伸びていた。この調子じゃ、お似合いの長身の美形カップルになりそう。


 心配をかけた広志と有美の夫婦を家に呼んで、晩飯をご馳走した。

「康平、よかったなぁ。心配したぜ。」

「うん。もうヤバいかと一時は思ったんだから。」

「すまん。広志、有美もいろいろとありがとう。」

 和やかに酒を飲んでいた中、酔った広志は、

「それで、2人はもう夜の方も復活したんだろうなぁ」

「広志!また~やめなよー。」

 有美が突っ込んだ時だった。亜香里が、ぼそっと。

「なんか、命中したみたい・・・ハハ。」

「え?それって・・・・。聞いてないぞ。」

 俺も慌てた、

「まじかで?」

「亜香里、おめでとう。」

 2人の前だったけど、俺は、亜香里を抱きしめた。そして、4人で笑った。 


             FIN 





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茨の道~いいじゃねえか~ @shalabon

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