第21章
第21章 不穏?
僕らは 町を出る前に 情報収集を 開始した
「カイロスの話なんだけどさ!なんか聞いてない?」
みんな パタと 口を閉ざす
「おばさん……頼むよ」
ローニーが 宿屋の おばさんに 聞いた
「そ……そうさね」
僕らが 聞き始めると明るい町が一変した
「帰っとくれ」
パン工房の おじさんも チーズ屋の おじさんも
門前払いだった
「なんだ……?」
皆の目が痛い
宿屋の おばさんだけが 僕らを 門の外まで導くと口を開いた
「あそこは終わりだよ!」
「おわり?」
僕が はねた
「死人ばっかりだし……伝染病も出てるんだよ」
そんな!
「王族は?」
「処刑されたんだよ……神殿にね……責任を 負えないとかで 最近ね……殿下が 去られてもうすぐ17年!」
殿下……父さん!
アーチボルト様ならば……と 周りは言ってたよ
銀髪だ!魔方陣だ!神の血筋だ!謳われた王は気抜けしてて何もしなくてね
王妃は 狂っちまうし……
で……神殿が 処刑したのさ……
だけどね……その後が悪かったんだよ
神殿がね……圧政を ひきはじめたのさ
「圧政?」
「王宮に住んでね重税やら……逆らう民の処刑やら!しかも……かなり残忍でね!親の前で子を殺し……それだけじゃない……女子供を 連れ去って自分の性奴隷にしたり……もう目を覆わんばかりらしい……」
「そんなばな!」
僕は泣いた……
「最近は見目麗しい男の子まであつめてるって噂だ!」
「狂ってる」
ローニーが 目をふせた
「もう堕ちるだろね!
カイロスの 都ここにありなんて称えられていたのにね……」
僕は腕に爪をたてた……
救う方法はないのか?
「あの神殿を 叩いて……伝染病を 消しされて……民を解放出来るのはカイロスの 星を 持つ方のみさ……」
おばさんがいった……
坊やは……殿下に似てるけどね……
でも行かない方がいい……
もうダメだ……
ありがとうおばさん……よく話してくれた……
ローニーが 金貨を渡そうとする
「いいのさ……坊や!セレスとかいったかい?」
「は……はい」
「遠乗りに来られたアーチボルト様に似ててね……なんとなくさ……賭けて見たくなったんだ……歳だね」
おばさんは町にもどっていった……
「おまえの父さん……」
「ん……アーチボルトだよ……」
「おまえ……まだいくのか?」
「行くよ!救う!なんとしても!」
きっ……と 顔を上げた……
全ての民を救う!
そして!カイロスの星を持つものとしての運命を はたす!
「わたし……ついていくわ……いいわよね!セレス殿下
?」
「よしてよ……アズミ……王族と名乗るつもりはない!」
「神殿を 潰すんだな」
「うん……」
「いいな……1枚噛ませろよ!」
ローニー!
僕は……ふふと笑った
「いこうか!」
「ああ……」
3人は肩寄せあって 王都への 荒れた タイル張りの 道を歩いた
「ローニー……アズミ……」
「なんだよ……」
「なぁに……?」
二人でさ夫婦になって 僕を 離れて暮らすって方法もあるんだよ!
「馬鹿か……?」
「馬鹿ね!」
2人は顔を見合わせた
そこにおまえが居なきゃ完成しねーんだよ
「そうよ!セレス」
2人の声は 春の日差しみたいにあったかい
「ありがとう……」
とーぜんだ!セレス
ローニーが肩を抱いた
でもさ……もしもの……!
「考えんなばぁか」
「そうそう……」
セレスだからついてきたんだから!
「俺らをバカにすんなよ!」
「ありがとう……大好きだ!」
「俺らもだよ!だから……1人で悩むな……な!」
「うん」
門の前まで来ると……死臭が ここまで漂ってきた
「うぷ……」
アズミが 鼻を覆う
「これ……」
1体や2体の死臭じゃねーぞ!
うあ……
胃液が 込み上げる
「門……封印されてる……」
開けれるか?
「僕なら多分」
手を門のカイロスの 紋章にあてた……
ど……どん……
開けた瞬間に 蝿がわぁーんと 舞い上がる
王都は 死人の 山だった
「な……なんてこと……」
体に斑紋が出来て のたうつ者
食べ物すらなくて 蝿にたかられるだけの 子供達
「酷い」
僕は泣いた……
「なんてことだ!」
働ける男なんてもう残ってない!
僕は 癒しを かけて 民の手当てにまわった
そして 子供に 短剣をやる
「売って少しでもお食べ」
「兄ちゃ……」
「ああ……奇跡だ……カイロス様……」
民達が ざわめきはじめた!
皆が癒えはじめ支えあえるようになったとき
僕は わざとターバンを 外した
「王よ!やはり……貴方様は……カイロスの 星!」
そしてロマのネックレスも 売って 民の ご飯に まわした
「許しておくれ……」
「王よ……王よ……貴方様こそ!」
民が叫んだ時!
「禁忌の子だ……」
男の声がした……
捕らえろ……
役人だ……
自分達だけ良い身なりをして
剣を抜いた
「やらせねぇ……」
ローニーが 剣を構える
僕は ローニーの 肩をひいた
「いい……潜り込む……ローニー仲間を呼んできて……」
「ば……バカ!お前おいて……」
「いいから……いくんだ!」
僕はその胸をついた……
ローニーは 涙をうかべると……くっと うなづいた
「アズミ頼める」
「なぁに?」
民を 癒して!
たすけてやって……
これも売っていいから……
がっ……
僕は 手を捻りあげられた!
「く……」
セレス!
アズミの叫びに
「セレス!セレス!」と 王都中が叫んだ
いいから!いいからみんな!
こらえろ!いいね!
僕は言って引っ立てられた
王宮内は 華美に飾られている
「くっ……」
気持ち悪い程の香の匂い
女たちは 薄衣をまとわされ
身の回りを させられているようだった
「おら……あるけ……」
役人の 手は容赦なく セレスの 髪を鷲掴みにする
王の間には 大司祭が 男の子をはべらせて 君臨していた
「う……」
その前にくると グイグイと 膝まづかされた
「ほほう……さすがはいい顔をしているねー坊や」
大司祭は 男色家のようだった
王座をおり 僕の 顔を 手で撫でた
「愛らしい……麗しい……可愛らしい……僕の寝室へ連れておいで……」
「う……」
「おい……可愛い子が痛がってるじゃないか!手荒にあつかうな!」
大司祭は 先に寝室に 消えた
「ふん……穢れた大司祭めが」
司祭の 1人が 女をはべらせて
わらった……
とにかく時間を稼がないと!
僕は立ち回るつもりだった……
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