第20章

第20章 ルラの 町


 僕らは パン焼きで有名な町 ルラへと 入った

 ここで有名なのは 田舎パンと 胡桃パン……

 それこそ ガイナなんかでも 仕入れたパンが ものの30分で売れたなんて伝説を 持つ有名な パン工房の ある町なんだよ!

 僕は まずはヤギチーズを食べた事ないって言うアズミの 為にチーズ屋にいって チーズを買った

「おじさん味見させて……」

 僕が言うと 気のいいおじさんは 3人に 一欠片ずつ ナイフで削ってくれる

「姉ちゃんおっかなびっくりって顔だね!美味いからくってみな!」

 アズミが パクッと 口に入れると

「……!……」

 目をまん丸にした!

「美味しい!」

「だろ?」

 ローニーは 嬉しそう

 このチーズはラヴェナ産だ!味でわかるんだよ!

 すごいだろ?俺の故郷だ!

 鼻高々!

 そりゃそうだ!族長の 息子だもんねローニー!

「へぇ凄いのね!こんな美味しいチーズがあるなんてはじめて知ったわ!今度ラヴェナを訪ねてみたい!」

「なんなら住んじゃえば?」

 言ってみて……

 2人は顔を見合わせた!

 おおっとこれは!まんざらでもないらしい!

 僕は ローニーの 脇腹を つついた!

「よっ!若夫婦」

「な……いいだろが……」

 ローニーが否定しない……

「えへへ……」

 僕は 笑いながら寂しくもあったけど!

 男たるもの 別れもあるんだよな!

 この先は 王都カイロス……行くのか?セレス?

「うん……いくよ!」

 髪にはしっかりターバンを 巻いていた

「さぁて!次なる獲物は?」

 3人に揃って……

「パン」

 と叫んだ

 パン工房を 目指すと 大きなカンパーニュがあった

 それも!たくさーん!

「ヒュー全部かいしめてー!」

 ローニー?

「え?」

 僕は 指さした!

「忘れてるだろ!」

「ご飯抜き?」

「そ?」

「まじかよーーーー!!!」

 ローニーが 叫ぶ

 周りが びっくりして僕らを みた

 ほら……泣かない!はずかしいでしょ!

「うーーーーん」

 ローニー……意気消沈!

「腹減ってんのに」

「おじさん!胡桃パン3つと カンパーニュ3つ!」

「おう若いの!味がわかるんだね……んじゃおまけだ!」

 おじさんが チーズパンを 入れてくれた!

 やった!

 僕は 指をパチンと 鳴らす

 そして 宿屋キトンに 入ると

宿のカウンターにいる おばさんに僕は声をかけた

「おばさん……」すると瞬時にして

「お姉さん!」

 と……おばさんに言い直された……

「よ……綺麗なねぇさん!大人3人 相部屋 1つ 個室1つ隣室だったらいいんだけど……」

 交渉慣れはローニー!

「あるよー兄ちゃん!いい男っぷりだねー」

 おば……あ……いや……お姉さんは ニコニコ笑った

「今夜はシチューだよ!食堂に用意する?それとも部屋に運ばせる?」

「部屋で!」

「おや坊や!兄ちゃんにきいてるの!」

 さっきの仕返しを された

「はーっはっは……嘘だよ兄ちゃん達!いい子そうだからからかったのさ!いいよおばさんで」

 さあて!はい!部屋の鍵!

 まん丸お目目な 僕らをみると 更に 豪快に ハーッハッハッハと笑った

「なんだ?」

 ローニーイマイチ飲み込めず

 アズミは 肩を竦めて さすがよね!と わらった

 あれも 商売の テクニックよ

 1回見たら忘れられないじゃない?

 僕らは気抜けして部屋に入った

 アズミだけ ふふ……とわらってて

 もしかして……アズミって

 実際年齢50歳とか?と 首をひねってしまう!

ほす……

 ベッドに 座ると

 ローニー?

「わかってるよ!飯抜きだろーが!」

「うっそー!食べていいよ!」

「こ……こいつめ……」

 腕で 首をロックされた

「これぐらいしないとねー朝の心配は 相殺出来ないの!」

 僕が きゃらっと笑うと

「ば……か……おまえな!ま!わるかったよ……」

 なんだろ泣いてるようだった

「おまえ……良い奴だよな!しぬなよ!」

 しぬかよ!

パチパチと ローニーの 筋肉質の腕を叩くと

 ロックから逃げ出し

 ローニーに チーズパンを ほおった

 腹すいてるだろ?さっき すっご〜く鳴ってたぞ

「お……いいねーヤギチーズの パンじゃん」

 ローニーが 嬉々として食べるかと思いきや 2つに割った

「ほれ……やる」

 お……!

 たべろ!

 そうして 僕らは カイロスへの朝を 迎えるまで 笑って過ごすのであった

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る