つづき

「セレス……」

 ローニーが 肩を抱く

「大丈夫だセレス」

 優しい声に 涙が一筋こぼれた

 そうしているローニーを アズミが 微笑んで見ている

 ちょっと羨ましいぞ!

 ローニー!

 僕は笑顔で ローストビーフ大好きです

 楽しみです

 おじさんに 言って食堂へ入った

 よーし俺だって!

 くいっ!

 子供っぽいからやめなさい

 アズミに首根っこを 掴まれたローニーは なんだか嬉しそうだった

「おー!うまそー厚切りじゃん」

 ローニーは ナイフとフォークもいかないで

 フォークで突き刺して

 あんぐりといった

「おバカね!」

 アズミは クスと笑う

 なんだろうピンクの 風が吹きかけているような気がする

 あぐっ

 僕も 負けじと頬張る

 黒胡椒の 効いたソースが おいしい!

「おかわり!」

 たったとローニーが 行くので 続くぞと 噛みついた

「セレス!ばかがうつるからやめなさい」

 そんな口調なのに

 なんだろう 嬉しいみたいだ

「えへへ……おかわり」

 立ち上がった僕に アズミが 頭を抱えた

「おバカ丸出しなんだから」

 言いながらわらっている

 もしかしたら?もしかしてなのだ

 きっとローニーを好きになりかけているんだろう!

 僕はそう感じて

 席に戻りかけたローニーに

「このこの!女殺し」

 と 脇腹をつついてやった

 なんのことだよ!

 ローニーは 全く気づいていない

 どーんかーんなのである

 僕も3枚くらいローストビーフを 貰うと

 負けじと食べる

 アズミは かたり と 立ち上がり……

「?」

 僕と 目があった

「ふふ……おかわりよ!」

 ちょっと 耳を赤らめた

「食え食え!アズミ!細いんだから」

「べぇーっだ」

 舌を出した アズミ

 なんだかんだ言って

 仲間らしくなったよね

 舌を出したアズミを ローニーは ほうけたように

 見ている

 これはひょっとするかな?

 カップル誕生か?

 僕は 2枚目も食べて3枚目に差し掛かる

「な……アズミってさ……」

「ん?」

 赤らめた 顔でローニー君

 あんなに可愛かったっけ?

 ドンピシャだ これは恋の嵐の到来だ!

 僕は3枚目を たいらげた

「おかわり!」

「おーい!きいてるのかよ」

「うんアズミは可愛いよ!タイプなんだろ!」

 そう言ったら服を むんずと掴まれた

「とるなよ!絶対」

 馬鹿だろう!

 僕は嬉しくなった

「何コソコソしてるのよ」

 そこへアズミさん

 真っ赤なローニー

 俯いた

 なぁに?

 悪巧みでもしてたわけ?

「いやぁ!よく食うなって」

 ゴツン

 僕のゲンコツが ローニーに 落ちた

 お前馬鹿だろう

 横目で睨むと

「あのな!俺な良く食う嫁さんほしくてさ……」

「なぁにいってるの!」

 アズミがフォークで ローニーを 示した

「ねぇ!ネジでもゆるんだの?」

 僕に聞く?こうかえした

「思いっきりお花畑かもね」

 なによそれ?

 アズミが 盛大に ため息をついた

 

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