第2章
第2章 噴水の秘め事……
アーチーは 私の魂を 憑依させたまま結界を 解こうしない 流石に飽きてきた
ちょっと!アーチー!
アーチー?
隣で寝ているアーチーが 汗ばんで呼吸が 浅い……!
え……?
私は手を当ててみる
アーチーにふれる時だけは感覚があった
「熱?」
なに?
「大丈夫だ……は……ぁ……紋様の後遺症だよ」
そんな!
アーチーの 服を まくる
紋様が びずびずと 肌を喰ってひろがっている
健康な肌が 赤黒く侵食され
脈打っている
「どうしよう誰か呼ぼうか?」
「良い……君が行っても誰にも見えない……それに君にそばにいてもらえば少し楽だ 波長同化させてもらう」
「なんなのよ」
なんでもいいけど!
額に触れていてくれるか?
「うん」
浅い呼吸
早くなっていく
はぁ……はぁ……はぁ
あまりにも痛々しくて見てられない
ふと人工呼吸の 方法を なんでだか思い出す
「ふ……」
唇に触れ息を吹き込む
……はぁ
なんか悪巧みでもしたのか?サニー?
うっるさいわね
具合悪い時くらい黙ってなさいよ!
回復術だっけ?
なんか知ってたの?私?
「あ……ああ……紋様を 消せるのは君だけのはずだ」
えーと……そんな重要なの?私?
アーチーがシャツを 脱いだ
綺麗な筋肉
でも
大半が紋様に 食われ
爛れ始めていた
手で触れろ
「え……」
男の肌に 手で触れろ?
いや……だって!
「まさかサニー!僕に喰われ死ねなんて言うんじゃないだろね」
「いや……だって!額はともかく 胸板なんて……はず……かしい……!」
耳まで 真っ赤になった
「た……の……む……」
意識が遠のきかけてるみたい!
仕方なし
私はそっと 手のひらで 撫でた
とく……ん……アーチーの 心臓の 気配
弱い!
焦った!
そっと 耳を当てる
「つ……づけろ……サニー……」
アーチーがよわっていく!
「治って」
祈りながら触れる
ぽ……
手に明かりが 点った
手から出たと言った方が正しいか
「出来たな……」
ふ……
アーチーが目を開けた
紋様が 弱ったように縮み始める
「君は救い主だ……」
手が伸びて……私の 髪を撫でた
「あり……が……とう……」
なんだ素直じゃない!
あの悪たれ殿下?
「へ?私親しいの?」
もしかして
親密だった?
「アーチー?」
な……んだ……
ねぇ?
青い目がこっちを見た
「私……親しいの?」
「僕とかい?」
頷く……こくこく……
「あーあ……奴隷と主人の関係だからな!」
はぁ……助けて損した!
アーチーの鼻をつまんだ
「ふ……手加減ないな!」
……あんたって最低!
「コラコラ」
なんだろう?ほっとする
この悪たれといるのに?なんで?
くっ……
アーチーが 起き上がった
ぎし……
ベッドが 軋む
唇が私を求める
っ……
彼の 唾液が唇をぬらした
「サニー……君は」
ばっちん……
もっちろん手加減しませんとも!叩いてやった
「痛いだろう」
当たり前でしょ!痛くしたのよ!
ふん!
「しょうがないな……」
どっ……押し倒される……
や……!やめなさいよ!
変態!
ド変態!
サド!
すけべ
しってる言葉全部投げつけて!
それでも力は緩まない
「少しくらい甘えさせてくれたらどうだ?」
だいっきらいよー!
「おや!お言葉だなあ」
彼の 半裸が降りてきて
私は恐怖で引き攣った
どさ!
アーチーは倒れこむ
「あ……!ほら無理するからよ!変態王子!」
「言うねぇ」
どうやら力が 入らないらしい
嗚呼体力まで喰われたか……やれやれ
チャンスだったのにな!
なんのよ!なんの!
サニーは飛び起きる
ガチ
だけどアーチーからは離れられない
まるで手枷でもつけられているみたい
んー!はなせ!
いやだね!
このバカ!おたんこなす!変態!ド変態!すけべ!女ったらし!
言葉を吐きつけて
でも 離れるのもなんだか出来なくて
私は動けなかった
そして
アーチーを撫で続ける
「悪いな……あり……がとう……」
?
アーチーにしては 素直!
やっぱりよわってるの?
彼の目を覗き込んだ
魔法陣!
とても繊細な魔法陣が瞳に宿っている
こんな至近距離でアーチーをみるなんて?
え?
やっぱり知ってる!
まさか?
え?
混乱してるのかい?
じゃじゃ馬子猫ちゃん!
その呼び方!
ぺいっと頭を叩いてやって そっと額に触れた
熱さがってきてる
よかった
なんだろ?泣けてきた
「思い出したのか」
唐突にがばりと アーチー
ブンブン……私は首を横にふった
ただ何となく
は……
バサ
アーチーが項垂れた
あせってるな……許してくれ
アーチー?
いいんだ すまない
アーチー
「何でそんなに私に真剣なの?」
「君は君に尋ねた事はあるかい?なんでって?」
…… はい?
小首を傾げる
まあいい!夜風にでもあたりにいこう!
アーチーは汗ばんだ身体にシャツを 着て
城の 庭へと 私を導いた
わ……
ランプが 彩る先に大理石の 噴水!
水面がとぽとぽと 水が降る度 輝いている
「なかなか いい眺めだろ?サニー」
「綺麗」
噴水の へりに 腰掛けて 手をつける
良く整えられて 水は 輝くばかりに清浄だった
「ラクシエルの噴水」
?
祖母の名だよ
王がつけた
「ふーん綺麗ね」
ぽと 胸があったかくなった
悪意で付けられた名では無いのだろう
「サニー!」
「……?」
んっ
いきなり熱い口付け!
舌が入ってくる
や……
叩こうとしたけど手を包まれてしまう
く……
方向を変えて!
や……だ!
背中に ゾクリと これって
アーチーの 唾液が 唇を つたった
「や……め……」
「やめないさ!」
ぐい!
腰を抱かれて喘いだ
バカ!すけべ
言葉が継げない
呼吸すら危うい
「ふ……可愛いな」
ようやくキスの嵐から解放されて
クラリと 酸欠
ぽす……
アーチーのむねに顔を埋める
「お前だけだよ」
今!君じゃなくてお前ってよんだの?
「あ……」
また唇がふってくる
もう気を失いそう……
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