生きるってなんだろうね
- ★★★ Excellent!!!
主人公が「花の枯れゆく姿」を嫌悪するところから始まり、
花屋のおばさんや祖母とのやり取りを通して「生きることは誰かに迷惑をかけること」や「枯れることも含めて花の美しさ」という視点に触れる物語が、とてもナチュラルに描かれています。創作なのか実体験かわからないけれど、もし創作だとしたら、すごい筆の力だなって思うんです。
日常的な出来事の中で、生命や死、他者との関わりについて考える姿がとてもリアルです。
一方で、高校生らしい率直さと繊細さが感じられました。最後の「枯れゆくものを愛せる人になりたい」という一文に、成長の予感が鮮やかに示されています。
もしかしたら、読む方によっては、主人公は「お見舞いは親に言われたから仕方なく行っている」「祖母に迷惑をかけられている」と口にしていている上に、実際に親の言うことを真に受けて素直にそう思ってしまっている点が自己中心的に見えるかもしれません。
でもその正直さは、逆にリアルで高校生らしいところでもある、そう思います。
むしろ「自己中心的」と映る部分があるからこそ、花屋のおばさんの言葉や経験を通じて、少しずつ他者との関わりや命の有限さに目を向けていく過程が際立っているように感じました。
これ、構成を計算した上で作ってたらすごいなぁ。