魅力的な悪霊を祓う、ダークバトルファンタジー

主人公の劉兎は、生前何も成さなかったことを悔いる幽霊。
その後悔から、『悪霊退散会』なる組織に属し、次々と現れる悪霊たちとの戦いの日々に身を投じることとなる。


この作品の大きな魅力は、私が思うに、大きく二つ。

一つ、個性豊かな登場人物たち。
主人公の劉兎はもちろん、先輩や仲間の幽霊たちの個性が強烈。台詞ひとつで誰が話したのか分かるほど。その言葉から滲む、それぞれの思想が異なるのも面白い。
更に、何より、敵方の悪霊が非常に非常に魅力的。戦いの中で交わす言葉と刃が、彼らにも各々過ごした時間があったことを感じさせる。彼らは決して、誰一人として脇役に収まらない。

二つ、戦闘描写。
バトルファンタジーとのことで、戦闘が多い。

この戦闘描写、圧巻の一言に尽きる。

文を目が追うだけで映像が脳内再生される。そこに澱みがなく、一切のストレスを感じない。また、登場人物たちの戦闘スタイルが様々であるため、戦闘の展開に既視感がまるでなく、毎回新鮮な気持ちで楽しめる。


みなさまも、どうぞ。
悪霊蔓延る霊たちの世界へ！