日本人が心の奥底に抱く、「神」への恐れ。それが、おどろおどろしく、顕現してしまった世界。
本能的に感じてしまう、絶対的なものが敵として立ちはだかる恐怖。それに立ち向かいながら戦い、生きていく主人公たち。
どうしようもない絶望感が滲む世界だからこそなのか、登場人物達全ての生き方が鮮烈で美しく、説得力を持った等身大の人物として、脳内に生き生きと浮かび上がります。
この作品の一番の魅力は、「キャラクター」
どのキャラも信念を持ち、濃厚な過去の薫る立ち振る舞いをし、温度の灯ったセリフを吐いています。何より、主人公たちを取り巻く恋模様は、悶絶必至です。
「好き」という一番奥底の大事な感情の上に、幾重にも幾重にも連なる、複雑な事情とお互いへの想い。真っ直ぐ伝えきるだけではない、不器用な恋が織りなす化学反応は、もう、超キュンです。めっちゃキュンですよ。えげつないです。
まだ未読の方、是非拝読を!