徒然なる詩

赤坂飛鳥

第1話

夢の下書きを何枚も重ねた

バラバラになりそうだから

ホッチキスで留めた

未来の私の輪郭は

まだ霞んでぼやけている

振り返る過去は

モルタルのように剥がれていく


心臓に刻み込まれた苦しみは

鼓動のリズムを変えてしまった

使用期限はどれくらいになった?

確かめようがない


世界も他者も同じくらい

近くて遠くて触れられない

砂で作った虚像のように

掌の中を滑っていった


鏡に映らない世界の中で

私はきっと息をしている

終わりが決められたフィルムの中を

もがきながら泳いでいる

宇宙の中できっと少し哀れ

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徒然なる詩 赤坂飛鳥 @Asukasaka

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