第18話:三好を遊びに誘ってみる事に
「まぁ見た目のイメチェンについてのアイデアはありがとね。その他にも何か千景ちゃんと三好君を近づける良い方法とか思いつかないかな?」
三好とのAV談義について全力で誤魔化していった後、早見さんは再びそんな事を尋ねて来た。
「んー、そうだなぁ……あ、そうだ。それじゃあ凄く王道だと思うんだけどさ、三好と一緒に遊びに行くとかはどうだ? 友達として遊びに出かければ必然的に距離感はグッと近づくだろ」
「ふむふむ。それはまぁその通りだろうけど……でもそもそも千景ちゃんが三好君を遊びに誘うなんてハードル高いわよ。あの子は男子と二人きりで遊んだ事とか無いって言ってたしね」
「なるほど。確かにそれだとちょっとハードルは高そうだな」
桜井さんって物凄く大人しい女の子だし、いきなり三好と二人きりで遊ぶっていうのはハードルは高いよな。それじゃあ違う方法を考えた方が良さそうだな。
「うーん、それじゃあ……あ、そうだ! それなら桜井さんと三好の二人きりで遊ぶんじゃなくてさ、俺と早見さんを合わせた四人で遊びに出かけるってのはどうだ?」
「え? 私達四人で遊ぶの? それはまぁ良いアイデアかもしれないけど……でも私と三好君って接点あんまり無いわよ? それなのに三好君は遊びに付き合ってくれるかしら?」
「大丈夫だよ。三好はワイワイと多人数で遊ぶの好きだし。それに俺にはとある秘策もあるし多分誘ったら乗ってくれるはずだよ」
「秘策? よくわからないけど、まぁ名瀬君に自信がある感じなら……うん、それじゃあ三好君に遊びに行くのを打診して貰えるかしら? 私は千景ちゃんに遊ぼうって打診しておくからさ」
「わかった。それじゃあ三好を上手く誘えたらLIMEで伝えるよ」
「うん。わかったわ」
という事で昼休みに早見さんとそんな話をした。なので放課後になったら三好に遊ぶ誘いをしてみる事にしよう。
◇◇◇◇
それから数時間後の放課後。
「え? 今度その四人で遊ぼうって?」
「そ、そうそう。ほら、最近あんまり遊べてなかっただろ? だから俺達と早見さん、桜井さんの四人で今度遊びに出かけないか?」
「そりゃあ遊びに誘ってくれるのは嬉しいけどさ、でもどうしてその四人の組み合わせなんだ? あまりにも珍しすぎないか?」
三好はキョトンとしながらそう言ってきた。まぁそんな顔をするのは当然だ。だってそんなグループで遊びに出掛けた事なんて今まで一度も無いしな。
(でもここは皆で遊びに出かけるようにするためにも、俺が頑張って三好を誘ってみせるぞ……!)
という事で俺は若干言葉に詰まりながらも、その四人で遊びたい理由を三好に伝えていった。
「え、えぇっと、まぁ何と言うか……ほら、前に三好に言っただろ? 実は俺さ、早見さんの事がちょっと気になってるというかさ……」
「あー、そういやそんな事を言ってたな! うんうん、それでそれで?」
「そ、それで、まぁちょっと前に覚悟を決めて早見さんに休みの日に遊ぼうって誘ってみたんだよ。そしたら男女2:2なら良いよって言われたんだ」
「おー、それはやったな! 2:2でも十分だろ! 休みの日に早見さんと遊べるとか最高じゃんか!」
「あ、あぁ、それで早見さんは親友の桜井さんを連れて来るって言ってたから、それじゃあ俺も親友の三好をって思って誘ったんだけど……どうかな?」
という事で俺はそんな事を言って三好を誘ってみる事にした。もちろん早見さんにはそんな話は一切していない。
でも三好は俺が早見さんの事を気になってると思っているようなので、このお願いの仕方なら三好も喜んで付いてきてくれると思ったからだ。そしたら予想通り……。
「なるほど、そういう事だったのか! 太一は早見さんを遊びに誘うとかやるじゃん! あぁ、わかった! それなら俺も一緒に行くよ! 色々と俺がアシストしてやるから任せておけよー!」
「そ、そっか。うん、それなら良かった。それじゃあ三好の空いてる日を後でLIMEで教えてくれるか?」
「おう、わかった!」
という事で俺の作戦通り今度の休みに4人で遊びに行く事がとんとん拍子で決まったのであった。
あとそれからすぐに早見さんから『どうやって三好君を誘ったの?』と尋ねられたけど、それについては全力で誤魔化していった。
まぁどんな方法で誘ったかに関しては一生秘密にする事になりそうだな……。
振られてしまった負けヒロインを全力で支え続けていく 榊原イオリ @siratamak
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