鎖骨のみずうみ

ゼロの紙

第1話

溜め息を音符のようにならべて微熱の耳で聞くメロディー

秋の予定をうつぶせで読んでいる虹彩に花火刻んでおくよ

鎖骨のみずうみで溺れてる子犬がいて明日生きてる気がしない

あなたの背中には旋律があってそのさみしさのリズムわけてください

果てしない微睡みすこし弱気な死に神の語尾が跳ねててかわいい

雲形定規の曲線を滑り落ちる指先あなたの死を横取りした

つまらないふくらはぎだ悲しみはいつだってdopeの匂いに似て

さよならのラ音で確かめあううなじの位置チューニング狂ってる

人じゃないものになったのか心透けてゆく胸に睡蓮が咲いている

あなたの名前シュレッダーにかけた唇で花びらが散ってゆく

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鎖骨のみずうみ ゼロの紙 @zeronokamides

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