さそり座の飴

さそり座の飴

音楽を聴かないままで歩くんだ棒付きキャンディまわす街中

(〈スーパー〉の〈パ〉は消えかかり点滅し)ポンプヘッドはなでられたいね

さそり座の亀と暮らしているのです眠れぬ夜の枕のために

生きてても痛くも痒くもないだってアロエヨーグルトは蓋につかない

ハムみたいに紐でぐるぐる巻きになる立派なふくらはぎを掲げて

11月23日(雨)地下は海の匂いでいっぱいでした

ぼくの右膝にある瘡蓋もゆっくり運びゆくメトロ

ドロップは舌の裏側で若者のくちづけが終わるのを待っている

永遠に落ち続けている棒高跳び平成生まれのぼくを笑って

キャンディ　ぎゅっとつまんでひっぱってひっくりがえったように朝