ぼくの形

てと

ぼくの形

海外へ行くには上司の許可がいるぼくは雇われ一反木綿

まっすぐな国境でない国へ飛ぶ機内に分けた液を持ち込む

降り立った地ではトイレに描かれた女が青く微笑んでいる

こんなにも光に支配されている夜が来ないと寝れない体

ゆるゆるな接客だからゆるゆるな客だとしてもゆるされている

ひたすらに善意を浴びて少しずつぼくが形を取り戻してく

雑草は海を越えても雑草でおそらくぼくもぼくでしかない

キートスと伝える以外なにひとつできないけれど人間だった

ちょっとだけやさしくなれる気がしてる 会社にスニーカーを履いてく

忘れてもいいよ確かにあったからぼくらは今でつくられるから

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ぼくの形 てと @teto-teto

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