★小さなお仕置と小さな幸運
☆5冊目/困った時はお互い様(1000文字
この話は店長も店員も出ません。
✂︎------------------キリトリ線-----------------✂︎
「・・・えっと・・・」
「あの・・どうされました?」
「あぁ、ごめんなさい。このレジの使い方が分からなくて・・いつもそこにいる店員さん、他の人と店の奥に行ったから聞くに聞けなくてねぇ・・」
「セルフレジですか?私が分かるのでお手伝いしましょうか?」
「良いの?助かるわ・・歳を取るとこうした機械についてけなくてねぇ・・」
「難しいですよね、最近の機械は。私も分からない時ありますよ。えっと・・買いたい本はどちらに?」
「これこれ。孫に買ってきてって言われてね・・」
「これだったら・・まずは画面の『会計スタート』を押して下さい。」
「これね・・」
ピッ!
「その後に、裏のバーコードを赤く点滅してる所にかざして下さい。」
「ここかしら・・」
「もう少し近づけて・・」
ピッ!
「これで良いのかい?」
「画面に本のタイトルが出てますが、間違いないですか?」
「間違いないよ。」
「これ1冊だけですか?」
「これだけよ。」
「他にあれば先程の繰り返しです。全部終わったら
『会計に進む』
を押して下さい。」
「これね・・ちょっと見えにくいわね、もう少し大きい字にして欲しいわ。」
ピッ!
「後はお金を投入口に入れて下さい。」
「これでいいかしら・・」
ガチャン!
ジャリン!!
「お釣りとレシートの取り忘れに気をつけて下さいね。」
「はいはい・・これで良いのかい?」
「はい、大丈夫ですよ。」
「ありがとうねお嬢さん。お陰で助かったわ。」
「いいえ。無事に買えて良かったですね。じゃ、私も会計させて貰いますね。」
―店外―
カランカラーン
「お嬢さん!」
「はい、何でしょうか?」
「さっきのお礼に飲み物でも如何?」
「え!そんな・・」
「遠慮しないで!」
チャリン!
「はい、好きなの押して。」
「じゃ、お言葉に甘えて・・頂きます。」
ガコン!
ピピピピピピピ・・ピロリロリーン!ピロリロリーン!
「「当たり!?」」
「じゃ私も選ばせて貰おうかしら。」
ガコン!
「当たり付きとは書いてあったけど・・まさか本当に当たるとはね。」
「びっくりしました。これなら気兼ねなく頂けます。」
「私の懐は傷んでない、お嬢さんはタダで飲める。ささやかな幸せだけど、二人で嬉しいだから余計嬉しいわね。」
「本当に。では・・」
プシュ
「「乾杯!!」」
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