僕は果てしなく流浪する
犬時保志
第1話 王都追放って?
「国王様、実行して構いませんか?」
国王様の指示で王子に大怪我を負わせ、王太子候補から没落させる計画だ。
「王太子を決める時期じゃが、流石にあれを王太子には出来ん」
「儂より強い、目障りな弟子だが、落ち度の無い気弱で真面目な者、罪人にするのは流石に哀れに思います」
「今まで出来損ない王子の面倒を見て来た褒美に、金貨100枚与え王都追放で許す」
格技場では、
木剣試合で連勝のバカ王子が、いい気に成って居るな。
弟子のハリスは、木剣では素人にも負ける最弱だが、それを実力と勘違い王子は痛い目に合うぞ。
国王様と儂だけが知って居る、弟子は真剣を抜くとスキル『
そこで、儂はバカ王子を弟子が殺さん様に、弟子の真剣を丈夫なだけの模造剣に取り替えて置いた。
国王様と見て居ると、弟子は一撃で王子を吹き飛ばし、勝負が着くと蛮惨化は収まって、やらかした事に弟子はぶるぶる震えて居った。
御殿医が王子に駆け寄り、治療して居たが。
「国王様、王子様の右腕は、今後動く事は無いでしょう」
と恐ろしい事を言ってる。
「ハリス! 練習試合では有るが遣り過ぎじゃ!!」
「国王様?」
「この革袋に金貨100枚入って居る、これを持って早急に王都から出て行け、罪には問わんが剣術指南役も破門と言って居る!!」
「師匠?」
「国王様の温情だ! その金を持って早急に王都を立ち去れ!」
僕は命令通り小さな革袋を握り、早急に王宮を出て走って王都門から王都を出て行った。
街道をトボトボ歩きながら。
「何か変だ! 鈍い僕でも気付くよ、今日に限って我が儘王子の練習を国王様と師匠が観戦しに来た、御殿医まで呼んで、都合良く真剣まで用意して! それにこの剣は僕の物じゃ無いし真剣でも無い! …バカ王子の没落を僕に遣らせた? 僕は国王様と師匠に填められた?」
真剣なら勝負が着くまで意識が無くなる、この模造剣を抜くと意識は有るが成り行きを傍観している感じだった。
「これは初めての感覚だ! 何を遣って居るか自覚出来た」
今までは何を遣ったか自覚が無い事が怖かった。
これからは、この模造剣で勝負すれば、何を遣ってたか分かる! 良い見取り稽古になる? 感覚が掴めれば木剣でも戦える?
「そう成れば良いな」
少し希望が出てきた、これを機会にまだ見ぬ仲間を求め僕の果しない流浪の旅が始まった。
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