人はゆらぎながら生きている。命はゆらぎながら保たれている。そこはかとない叙情性と、そのなかに仄かに薫る空虚感に、胸をつかれる思いがしました。否定形や逆説の接続詞、さらにはさまざまな括弧を駆使しながら、命の尊さと儚さの両輪を表現していて、感動しました。繊細な言葉で紡がれた、命の連続性のゆらぎの短歌集。推し短歌1首。収斂し塞いだそれごと外へ絶つ〔無い〕を満たしてく別の透明