第46話 門野、目を覚ます
瞼が開いた。そうしようという意識があったわけではない。門野は白い天井を見た。
「起きた?」
覗き込む顔は、長木だった。見れば病衣のままである。
「ああ、てかよ、病衣のまま病人見に来てどうすんだよ」
「私も病人扱いされているからよ」
「そうかい」
――秋津はどうした?
と聞こうとした矢先、個室のドアが開いた。弾正だった。
「長木さん、秋津さんが目を覚ましました……てあれ? 門野君も目覚めましたか」
「弾正さん、それ、俺が目覚めない方がいいって聞こえますけど」
「そんな意図はないよ。誤解をさせたのなら謝る」
「大丈夫です。冗談ですから」
身を重そうにして起き上げる。
「秋津が目を覚ましたって」
「ええ、今しがた」
「じゃ、私が見てくるから、門野は寝て……」
「俺も行く」
「何言ってんのよ。そんな体動かすのしんどそうなのに」
「大丈夫ですよ。あれを使いましょう」
弾正が指差したのは車いすだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます