第35話 休日返上
日曜日だというのに、面子は休日返上で、というよりそんな休日出勤義務のいやいやながらではなく、一種興奮状態で集まっていた。
「長木さん、昨晩はありがとうございます。湖に行ってたもので、返信できませんでしたが」
長木は思いつきを弾正に送信しており、今朝になって天の逆手の施行者が分かるかもしれないという弾正からのメールで門野も長木も書ける勢いで登校していたのだ。
「整理してみます。その施行者はこの中央高校の生徒、女性、髪はウェーブです。これが身体的特徴。そして長木さんが教えてくれた、団体行動をあまりとらないという性格」
「何で、長木はそれが分かったんだ?」
「昨日、私は卜部さんに相談をしたの。でも、その人は相談する相手がいないから全部自分でやっているんじゃないかなと思って」
「それでこの高校に該当する生徒は……」
弾正の机にあるパソコンの画面は、瞬きをしていると見逃してしまうくらいのスピードで全生徒の個人データを続々と映していた。
「ヒットです」
ある生徒でそのページ捲りは停止した。
「これは……」
三人の目が画面に釘付けになる。その女子生徒は実は門野も長木も知っていた。
「秋津(あきつ)文綿(ふみわた)」
二人のクラスメートだった。
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