カクヨム短歌賞1首部門 応募作品

隘路

カクヨム短歌賞1首部門 応募作品

雨が降っても傘を差さない君が見ていた火10ドラマ、嫌い


観覧車 回り疲れた頃だろう アナベルもどうせいつか枯れる


誰よりも美しい髪、夢、瞼 時代だけが君の敵だった


スタンドマイク 僕の存在証明は、こんなにも脆く、て、弱い


誰からも選ばれないその指先で汚した皮膚から滲むなにかが


頑張れと言わないでくれ君だけは頑張れなんてがんばれなんて


幸せをしあわせと読む僕のことカムパネルラはどう思うかな


考える日々などとうに飽きているジャズマスターの塗装はがして


どうしても眠れない夜がまた来たね こんな世界で生きていたいよ


君だけがあぶれた世界僕はただご飯を食べるだけの夢見た


終わらない梅雨をただただ望んでる 手をあげてみる 鼻根の睫毛


眠るより簡単に済む作業だしちょっと一瞬痛いだけだし


六本の弦が次第に緩まって日が落ちる頃新しい君




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カクヨム短歌賞1首部門 応募作品 隘路 @teikanto_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画