手のひらに収められたなら。

本作は、読み進めていくごとに真実がどんどんと顕になっていく物語です。
謎や齟齬は最初のほうから割と明るみになっているため、すごく読みやすく、有り体に言えば分かりやすい小説です。

ストーカーの底なしの自分勝手が起こした、サイレンの音に包まれるまでの同棲生活。
自分の幸せは誰かの不幸せだということに気づかない、あるいは深層意識で気づかないようにしている人が、いずれ手や首に縄をかけられるまでの暫しはとても暗くて黒々しいということを改めて認識させられるお話でした。

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粘性を帯びた一方通行の愛情を描いた作品です。
ぜひ一度、手に取ってみては。