信都 その2
劉秀、
ここで劉植、劉秀を
劉秀答えて曰く「王郎を恐れず、誰を恐れると」
劉植返して曰く「
劉秀、
劉植曰く「では真定王が恐れるは誰と思われる」
劉秀答えて曰く「王郎か」
劉植返して曰く「否、真定王が恐れるのは、百万軍を破りし、今上帝の大司馬、即ち明公なり」
劉秀、鄧禹が
劉秀曰く「しかし、我は如何にして真定王と和するかを知らず」
劉植曰く「明公、真定王と
劉秀、無言で頷く。
劉植、
劉秀問いて曰く「如何にして」
劉植答えて曰く「真定王には娘は居らず、しかし
劉秀慌てて答える、曰く「即ち、
劉植返して曰く「左様なり」
劉秀、以前なら「我、既に
劉植、劉秀に考える間を与える。されど劉秀が黙ったままなので、劉植は続けて曰く「名目で
劉秀、明瞭に答えて曰く「
劉植問いて曰く「我では不足なりや」
劉秀、答えて曰く「
さすれば劉植を
貰県に至れば、すなわち城は降る。それより劉秀を喜ばしたのは、わざわざ出向いてきた者たちであった。
鄧禹曰く「待つより、この勢いを保ち、威を示さん」
劉秀然りと、兵を募りつつ、城を落としつつ北上することとする。
真定では、大王に拝謁を願う者ありと、劉揚に伺いが奉じられる。劉揚、劉植を
劉揚、問いて曰く「余に何用有り」
劉植、これは正論では説き難しと思えば、答えて曰く「大王に縁者の相談であれば、我拝謁を願わん」
劉揚重ねて問いて曰く「誰なるか」
劉植答えて曰く「姪御殿で御座る」
劉揚、返して曰く「郭聖通か」
劉植答えて、曰く「左様、御歳幾つになられます」
劉揚、数えて曰く「
劉植曰く「大姓は、大王の血筋を引いているゆえ、
劉揚返して曰く「されば王莽亡き世となれば、躊躇わずや」
劉植返して曰く「さにあらず、躊躇われる」
劉植答えて曰く「大王、
劉揚返して曰く「我、斬られるつもり無ければ、一人城守しようと欲す」
劉植曰く「ならば
劉揚、問いて曰く「二人とは」
劉植答えて曰く「敗れれば必ず斬られる者、邯鄲の帝を称する
劉揚、僅かに笑いて曰く「なるほど」
劉植、ここで詰め寄ると一言問いて曰く「大王、斬られずに済むには、劉子輿、劉文叔、いずれか勝つ者に郭聖通を娶らせるべし。何れを選ばん。郭氏が勝つ者に娶られるなら、大王必ず斬られること無し」
劉植、王郎に附くか、劉秀に附くかの選択に、郭聖通を引き合いに出して、必ずどちらかに附かざるを得ないことを悟らせる。
劉揚は、劉植の目を見て問う、曰く「卿は、邯鄲の帝、劉子輿を知るか」
劉植答えて、曰く「我、大王と同じく噂のみ知る。邯鄲の卜者王郎であり、劉子輿と称するが、その真偽は知らず」
劉揚また問いて曰く「卿は、大司馬劉公を知るか」
劉植答えて、曰く「我、大王と同じく会って劉公を知る。
劉揚、会って見た所の若造を思う。
心を決めた劉揚曰く「なれば大司馬に附こうと思えど、如何せん」
劉植にやりと笑って曰く「我、大王に姪御殿の相談に参れば、直に劉公に郭氏を薦めるは如何」
劉揚曰く「出来ようか」
劉植答えて、曰く「親御殿さえ良ければ、我、必ずや成し遂げん」
即ち劉揚肯いて曰く「
劉植が立てば、劉揚、供回りを連れて
真定王至ると聞けば、県令・次官に姉
劉揚曰く「ところで、聖通には良縁なからざるか」
郭主、残念ながらと答える。
劉揚、話を続けて曰く「祖父が真定王なるゆえ、王莽を恐れ、叔父も真定王なるゆえ、邯鄲・長安の主を恐れてと聞く」
郭主答えて曰く「王莽滅びて話はあれど、大王立てば、大王が
劉揚、顎に手をやって曰く「なるほど。
郭主問いて曰く「大王、知れると仰せられるか」
劉揚、答えて曰く「余、一人知る」
郭主重ねて問いて曰く「その方、大王と
劉揚、郭主も劉植と同じかと思うも答えて曰く「彼も余も托生しようと思う」
どのような御人がと思い、はたと気付いた郭主、郭況と顔を見合わせ、戻して問いて曰く「邯鄲の人か、長安の人か、何れかで御座いますな。何れなるや」
劉揚問いて曰く「何れと思う」
郭主・郭況、再び顔を見合わせる。郭況、十五の
郭主曰く「我が娘、劉公が「仕官しては
劉揚、何処へ行っても何を聞いても、大司馬劉公かと少々不服に感ずる。
郭況、劉揚の渋顔を窺いて、問いて曰く「もしや邯鄲の人で御座いますか」
それでも劉揚、王郎と劉秀を比せば答えは揺るがず。郭主・郭況が不安気に見詰める中、答えて曰く「余、聖通を娶らせようと思い、聖通ゆえ命を托生しようと思うは劉文叔、行大司馬なり」
郭主・郭況、喜び伏して謝して曰く「大王よ、
劉揚、
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