信都 その3
劉秀、先軍となって
劉秀問えば、耿純答えて曰く「
劉秀、
劉秀、耿純を下がらせて尚も考えれば、二つ考えねばならぬことに気づく。一つ、耿純が引いた『
そこで、次々に兵が集まれば、その将を一同に会して、得たる財物を問いたるに、唯、李忠のみ
即ち、自ら乗っている
これによって劉秀、三つを為す。一つは、任光の策によって、諸県に降伏するか
また、劉秀、侯に封じた者に、今、その地無ければ、あとで改封するか、現存の地名を封爵の名に付け替えて実にすることを約束する。
劉秀軍、
劉秀、真定に入れば王の劉揚、
その夜、劉秀は妙に寝付けなかった。伝舎の外に出て夜空を眺める。警護の
「劉公、眠れませぬか」と声がし、劉秀が振り向けばそこには劉植・耿純が居並び、共に前に進み出て、膝を屈する。
劉秀答えて曰く「うむ。あれほど馬を走らせていたのに、何故だか今宵は眠れぬ。そこもとたちは」
周囲を
耿純曰く「万一で御座います。我、邯鄲にて抜かった故に、明公を
劉秀、両名に問いて曰く「前将軍の議は
劉植曰く「我は王を疑いませぬ。されど、明公の首を討とうとする輩があろうことは疑います。我ら、明公を頼って来ました。こう言えば
劉秀、高らかに笑いて曰く「
劉秀、両名に
夜が明けると、劉秀、劉揚の言う
待てばやがて来ると分かっていても、こういう時を待つのは辛いと、劉秀がじっと待てば、郭氏の一行がやって来る。劉秀、劉揚、諸将と共に酒宴を開く。花嫁はと劉秀が目で追えば、郭聖通は始終
されど劉秀、王郎と戦っている故と、本来数日に渡る宴を早々に切り上げて、南下する。
真定王劉揚に会するため、如何にすべきかと共に悩み、王郎が立って北へ向った劉秀は行方が分からず、今また兵を率いて現れる。おまけに、漸く聞いた噂によれば、真定王の姪をも娶ると云う。
鄧晨問いて曰く「彼の者は如何にされる」
劉秀、鄧晨の顔を覗えば、真顔である。人形よろしく体の良い人質とするかと問うものと気付く。
劉秀、笑いて曰く「娶った以上、その上郭氏が添い遂げますと
鄧晨、ふむと頷くが、ふと思いついて、尋ねて曰く「
劉秀、目じりを下げて答えて曰く「驍騎将め、何も言わずゆえ、
鄧晨、飲み込めて笑いて曰く「それは良き
劉秀もまた笑う。
鄧晨、劉秀と同室にて寝よう、夜半まで語り明かそうと思っていたが、事を知ると別室を用意させる。そして自らは辞去する。鄧晨、自らの部屋に進みて、取り敢えず劉秀・郭氏の仲が良ければ真定王も反せずと安堵する。
鄧晨、顔を
男は笑う。無論、男の想像、いや妄想かもしれない。しかし劉秀が郭聖通を納れて、大事にしたのは事実である。劉秀が寵愛したのは二人だけ、また陰麗華の件より、劉秀も美女を好むと分かれば、おそらく郭聖通も美女であったと想像は付いた。そして既に役位は執金吾を越え、美女二人を娶ると為れば、その周囲は
笑いながら、男は部屋を出る。
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