盧奴(ろど)
盧奴
その旅人の一人に
耿弇の副使である
耿弇、剣柄に手を掛けて曰く「劉子輿は単なる賊、遂には
孫倉と衛包、従わず王郎に降ろうと欲し、逃亡した。耿弇一人、宋子から北は代郡へ行こうとすれば、道中、大司馬劉秀が盧奴に在ると聞き、そのまま馬を
話が一段落したと見ると、劉秀は尋ねて曰く「王郎とは
耿純答えて曰く「その卜者の王郎が、成帝の落とし子、劉子輿と名乗って挙兵いたしました」
劉秀返して、曰く「成帝の
耿純答えて、曰く「
劉秀の脳裏に劉林の姿が浮かび、話が飲み込めた。
劉秀は伏せる耿純を
劉秀、次の日の朝にどう対応するか議すこととし、一日の間、一同に策を練らせて後、評定の冒頭にこう話し始める。先ず王郎と和するか
耿純更に続けて曰く「真定王、劉公を
一同愕然とするが、目にした真定王では、それが当然に思えた。南には行けないか。いや東南へなら、赤眉に当たるとも限るまい。しかし、それは憶測でしかない。真直ぐ東は海に至るしかない。西なら山また山、盧奴からでは切れ目なく、車馬が使えない。なら北だ。しかし、北に行って何がある、誰か味方してくれるとでも。論議は低回し、
劉秀自身も尚も考えている夕刻、来訪者があると
預けられた朱祐も困ったが、堅苦しい性格から、先ずはどれほど教養があるのかを問い始める。『礼』について尋ねてもすらりと答え、『詩』についてもすらりと答える。朱祐、背筋を伸ばして誰に習ったかと問うと、父他から習ったと答える。ご
朱祐、これは本当に上谷太守の子息と理解する。そこで、盧奴の北東に位置する上谷の太守の子息が何故南からやって来たのかを尋ねる。若造、
耿弇曰く、「上谷・漁陽の突騎を従えれば、邯鄲は落とせましょう。我に帰って兵を発せさせんことを」
これを聞いて、劉秀は笑いて、曰く「
劉秀、耿弇を大いに気に入る。
南からの王郎勢力が延び、劉秀らは止むにやまれず北へ、
評定の中に居て、耿純は今更ながら、
耿弇は劉秀に同道し、
劉秀一行、北に進めど王郎の噂は強まり、劉秀の配下も一人また一人と去るものが出だした。劉秀の配下の
劉秀、王覇を激励して曰く「潁川にて我に従いし者、
風が吹いて、草が強いか弱いかが分かる。苦難に遭って、人が強いか弱いかが分かるのだ。劉秀、自らが強き草であることを示さねばならぬと、深く思う。
男は机を立つと、背を向けて考える。地図を取り出して机の上に広げ、
男はぽつりと
また呟いて曰く「それより問題はここだ」と、筆の柄でくるりと薊を回る。筆を持ち返ると腰掛けに座り、竹簡に一文字書き加える。
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