第8話 学校で~人がいてもお構い無し~

//SE 目覚ましの音


//SE 目覚ましを誰かが止める音


(耳元で)

「おはよう」


//SE 蝉の鳴き声


「もう新学期なのに蝉は元気だね」


(いじけた様子で)

「まだ暑いから夏休みでいいのに……」


「はなの格好? これは君以外の男子に変な目で見られないために厚着してるの」


(ガッカリした様子で)

「ダメ~?」


「じゃあ、君が脱がせて?」


//SE 君がはなの服を脱がせる布擦れの音


「下も?」


//SE 君がはなの服を脱がせる布擦れの音


(いたずらっぽく)

「君ははなの服を脱がせるなんて……変態さんだね」


「朝ごはんの準備できてるみたいだから、一緒に食べよ」


//SE 足音


//SE 椅子に座る音


「あーんして欲しいな。じゃないとはな、学校行けない」


//SE 君がはなにヨーグルトをあーんする


//SE 咀嚼音


「これはりんご? 食べたい!」


//SE 君がはなに食べさせてあげる


//SE 咀嚼音


「美味しい。君の指も食べたいな……」


//SE はなが君の指をしゃぶる音


(うっとりした声で)

「はぁ……」


「これではなは学校に行けるよ」


 ◇


//SE 砂道を歩く足音


「暑いね……」


「くっついてるから? それは関係ないよ。君とは常にくっ付いていたいもん」


(声高めに)

「え、はなが同じクラスになるようにちゃんと言ってくれたの? ありがとう!」


「しかも隣の席!? じゃあ、授業中もいっぱいイチャイチャできるね」


「ダメなの~?」


(ニヤリとした感じで)

「君は真面目さんだね」


「はなは休み時間に君を防衛する係しようかな? シュシュシュッとぶっ飛ばす……みたいな?」


「女の子の友達を作って欲しい? うーん、考えたことないけど……君とはなに危害を加えない子なら考えてみようかな」


「あ、誰かいる……」


「女の子には特に気を付けてね?」


//SE 生徒たちの声


(気を引き締めるように)

「人がいっぱい……みんなはなのライバル……」


(甘えた声で)

「いっぱいくっついて教室まで行こーね」


 ◇


//SE チャイムの音


(小声で)

「誰も寄ってこないね」


//SE 机をくっつける音


(耳元で)

「ねえねえ、はなと君の関係を見せつけたいからさ、キスしてるフリとかしたいな」


「まだ恋人じゃない? むー……でもやりたいの」


//SE 教科書を立てる音


「ほら、顔近付けて……」


(至近距離で)

「ちゅ……ふふふ」


「きっと誰かは見てたよ」


「授業もう少しで始まるから、その前に……」


//SE はなが君の椅子の端に座る音


(至近距離で)

「これなら君を感じながら授業が受けられるね」


(いたずらっぽく)

「君はちゃんと集中できるかな?」

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