第7話 嫉妬~はなだけを見て~
//SE 扇風機の回る音
//SE 肩を揺すられる音
(怒った様子で)
「ねえ、君は一体何を見てるの?」
「教科書? なんではなじゃなくて教科書を見てるの?」
(しょんぼりした様子で)
「勉強が大事なのは分かるけど……。君にははなだけ見てて欲しいもん……」
「べ、別に……教科書に嫉妬してるとかじゃ……してるけど……」
「夏休みの課題? 夏休みって今日で終わりだよね?」
「まだ半分も残ってるの!? そっかぁ……」
(何か閃いたように)
「じゃ、じゃあさ! 分担しよ?」
(当然でしょ? といったふうに)
「はなの課題? それは朝に君が寝てる時にやって済ませてあるよ」
「君ができるだけ長くはなを見ていられるようにはなも解いてあげる」
(一歩近付いて)
「バカにしないでよ……はなはお勉強得意ですー」
(甘い声で)
「中学の頃は君に夢中で……。君にふさわしくなれるように頑張ったんだよ」
(不貞腐れた様子で)
「そりゃあ、君には負けるけどさ……」
(からかうように)
「でも、課題やるのはギリギリなんだね」
「え……はなのこと考えてたから忘れてただけ……?」
(思いに耽るように)
「嬉しいな……。はなは勉強に勝ったんだね」
//SE はながそこら中を走り回る足音
(くるくる回転しながら、オペラ調に)
「大学生になってもー、イチャイチャしたいからー、勉強も頑張ろうねー」
//SE はなが君にダイブして押し倒す音
「いてて、調子に乗り過ぎちゃった……。大丈夫?」
(耳元で)
「お詫びにどこか触る?」
(拗ねた様子で)
「それより勉強? むー……」
//SE 課題を解くペンの音
◇
//SE 扇風機の回る音
//SE カラスの鳴き声
(低めの吐息とともに)
「あー、疲れた……」
(恥ずかしそうに)
「あ……今、声可愛くなかった……忘れて……」
「素でいい……? でも、君に甘えるはなも素のはなだよ?」
(モジモジした様子で)
「色んなはなが見たいの? えー、恥ずかしいな……。でも、君がそういうなら、ちょっとずつ……ね」
(顔を近付けて)
「君もはなには全て見せてくれていいからね」
(焦った様子で)
「あ、でもでも……裸はまだ早いからね」
(平静を装うように)
「ひ、ひとまず無事に終わって良かったね」
(不安そうに)
「明日から学校……学校かぁ……」
「はなは君と本気で付き合いたいからさ……君が学校に行っちゃうのが怖いんだ……」
「君がはな以外を見てしまうから……」
「わがまま言ってるのは分かってる。なんでもはなの思い通りにはいかないよね……」
「はなは怖いよ……明日が……」
//SE 君がはなを優しく抱きしめる音
(君の胸で蹲った位置から)
「あー、ダメ……そんな……君に包まれたらもう嫌って言えないよ……」
(耳元で)
「はなは怖いから……だから君に改めて伝えるね」
(君の顔を見るためちょっと顔との距離を取る)
「好きだよ……。君のことだけを愛しているの」
(訴えかけるように)
「誰にも君を取られたくない」
「明日の帰り、二人だけ学校に残ろう……」
「そこで告白のお返事してもらえる……?」
(強がるように、だが不安が漏れつつ)
「ありがとう。明日は学校頑張らなくちゃね」
//SE 風鈴の音
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