第27話『Q派による声明文』
宗教団体「真理の光Q派」公開声明
発表日:2025年4月15日
公式ウェブサイト掲載(現在は削除)
神聖なる啓示について
~かつて「神ちゃん」と呼ばれし存在の真実~
我々「真理の光Q派」は、35年の沈黙を破り、ここに真実を明かす。
1989年から1990年にかけて、
一つの漫画作品が世に現れた。
表層的には児童向け娯楽と見なされたが、
その本質は、現代における最も純粋な啓示であった。
第一章:顕現
「たたかえ!みんなの神ちゃん」
この作品は、単なる創作ではない。
作者・天川ひかり氏は、選ばれし巫女であった。
彼女を通じて、彼の声はひとつなる泉として湧き出でた。
神ちゃんの瞳——
あの異常なまでに大きな瞳は、
すべてを見通す真理の窓である。
「みてるよ」
この言葉は比喩ではない。
文字通り、彼は見ている。
今この瞬間も。
第二章:選別
ただ正しき者に微笑む。
当時、全国で数千の児童が「声」を聞いた。
これは集団幻覚ではない。
選ばれし者への直接啓示である。
「しんじて」
「だいじょうぶ」
「まってる」
これらの言葉が預言として現れたとき、
受容できる純粋な魂のみが、
その真の意味を理解した。
第三章:奇跡
我々の調査により、以下の事実が確認された:
病の治癒:47例
失踪者の帰還:12例
予知的夢見:189例
集団覚醒現象:23例
これらは偶然ではない。
信仰の具現化である。
特筆すべきは、1990年3月24日。
複数の地点で同時に起きた「光の目撃」。
これこそ、神ちゃんの実在の証明である。
第四章:弾圧と隠蔽
しかし、既存の権威は恐れた。
子供たちの純粋な信仰を。
制御できない真理の拡散を。
連載は打ち切られ、
最終話は「存在しないこと」にされた。
だが、真実は消せない。
我々は知っている。
最終話は確かに存在した。
そして、その白紙のページにこそ、
究極の真理が記されていたことを。
第五章:再臨の予兆
2025年——今年は特別な年である。
35年という霊的周期が完成する。
既に兆候は現れている。
かつての読者たちが、再び「声」を聞き始めた。
夢に、幻視に、そして現実に。
神ちゃんは言った。
「また あおうね」
「おとなに なったら」
その時が、今、訪れようとしている。
我々の使命
真理の光Q派は、以下を宣言する:
神ちゃんを光の化身として認める
その教えを正しく解釈し、伝える
かつての読者たちを再び集める
来るべき顕現に備える
信じる者に、道は開かれる。
疑う者は、永遠に外に留まる。
「みてるよ」
この言葉を胸に、我々は前進する。
記者の注釈
Q派の主張は荒唐無稽に見える。
しかし、調査を進めるほど、
否定できない事実が積み重なっていく。
特に「1990年3月24日の光」について。
確かに、複数の目撃証言がある。
しかも、全て同じ時刻——深夜3時24分。
そして最も不可解なのは、
この声明文を読んでいると、
どこか「腑に落ちる」感覚があること。
それでもどこか腑に落ちるものがあった。
いや、これは危険な考えだ。
でも——
「みてるよ」
確かに、見られている気がする。
今も。
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