改革戦争2

@Midnighy53

第4話初依頼での騒ぎと精霊感謝祭

「ふわぁ〜」

アルクが目を覚まして宿の部屋の右隣のベットに花奈とジルが左隣のベットに海斗が寝ていた。今日は、ギルドに依頼を受けに行く日だ。

(はぁ〜。眠いなぁ〜。でも、起きたもんは仕方がない。海斗たちを起こさないようにっと)

アルクが海斗たちを起こさないようにベットから静かに降りようとしたがジルが気づいて「きゅい?」と鳴いてしまった。

(やばい!花奈が起きたかな?)

アルクが慌てて花奈を見ると「うぅ〜。むにゃむにゃ」と言っていただけだった。アルクは小声で「ジル。俺は顔を洗いに行くだけだよ。起こすまで花奈を寝かせてあげて」とジルに言うとジルはアルクに小さい声で「きゅ」と返事をしてくれた。アルクは部屋についてある洗面所に行って顔を洗って戻ってくると海斗が起きていた。

「お、アルクはもう起きてたのか。おはよう」

「まあな、おはよう。花奈はどうする?」

「もう少し寝かせてあげようと思う」

「そうか、その間に今日の依頼の用意と戦闘になった時の動きを考えるとするか」

アルクと海斗は依頼の用意をして宿の朝ご飯の時間まで時間を潰した。そうして朝ごはんの時間になると花奈を起こす。

「お〜い。花奈、起きろ」

「うぅ〜」

「いいかげんにしなさい!」

海斗がこの前と同じように布団を引き剥がして花奈を起こす。

「ふわぁ、おはよう」

「うん、おはよう。さあ、はやくご飯を食べに行くよ」

「!ご飯!」

花奈はご飯というワードを聞きつけて起きて、準備をする。花奈の準備が済むとアルクたちは一階に降りて朝ご飯を食べた。食べ終わると、部屋に戻って個々の荷物を収納魔法に納めていく。それも終わってアルクたちはギルドに依頼を受けに行った。ギルドにつくとクリヌがいた。

「おはようございます、クリヌさん」

「おはようございます、アルクさん。今日は依頼を受けに来たんですね」

「はい。薬草採取の依頼を受けたいんですが」

「薬草採取になるとこの依頼がおすすめです。この平原はオピニアの平原と言って比較的魔物が少ないです。魔物の戦闘にあまり遭いたくない人にはおすすめです」

「へぇ、どんな薬草を集めるんですか?」

「希少なクリリア草とよくあるポリリア草です。この二つは見分けがつきにくいので鑑定魔法が使えると楽ですね」

「そうですか」

(そういえば、海斗が鑑定魔法を使えたっけ)

「この依頼を受けますか?」

「はい。お願いします」

「わかりました。依頼は今日までである程度集まったらギルドに提出しに来てください」

「わかりました」

アルクは依頼の紙を受け取ってギルドの外で待っている海斗と花奈の元に向かった。

「お待たせ」

「お、いけたか?」

「うん。海斗って鑑定魔法使えたっけ?」

「あぁ。使えるけど、それがどうかしたか?」

「なんか今回の依頼の薬草は見分けがつきにくいらしいんだ」

「そうなんだね。じゃあ、お兄ちゃんがいれば大丈夫だね」

「まあ、僕に任せて」

「おう、じゃ任せた」

そうしてアルクたちは依頼のオピニアの平原に向かって行った。途中の街から出る関所では、ギルドカードを見せればスッと通ることができた。街から出ると平原が広がっていた。

「うわぁ、西の関所ってこんなところなの?」

「そうみたいだね、花奈。僕たちが入って来たところは真反対の東の関所で山道につながっているんだって」

「お兄ちゃんは物知りだね」

「まあ、伊達に本をたくさん読んでいるわけじゃないから」

アルクたちはこれからもう少し歩いてオピニアの平原に行く。道は荒れてはなく平らで歩きやすい道だった。少し歩いていくとオピニアの平原に着いた。

「ここがオピニアの平原だって。じゃ、海斗頼む」

「了解。〈鑑定魔法 発動〉」

海斗がそういうと海斗に魔法のゴーグルが付けられる。

「何を採るんだ?」

「えっと...クリリア草とポリリア草だ」

「わかった。〈鑑定 クリリア草、ポリリア草〉。お、見えたぞ」

「どこだ?」

「僕が場所を言うから花奈とアルクが採ってきて」

「「了解」」

アルクたちは協力して薬草採取をサクサク進めていった。

「次は...あそこだ」

「私がいく。これ?」

「そうだよ、花奈」

「カゴに入れるね」

アルクと花奈が交互に動いてカゴはどんどん薬草でいっぱいになっていった。アルクたちが薬草採取を始めてお昼頃になると一旦休憩で収納魔法で持ってきたお弁当のサンドウィッチを食べた。

「うぅ〜ん、美味しい〜」

「よかった。準備したかいがあったな、海斗」

「そのようだね、アルク。花奈は小さい時から大食いでね。たくさん作るのが大変だったから手伝ってくれて助かったよ」

「いつも大変だと言うのがわかったよ。いつもありがとう」

「なんだよ急に。でも、どういたしまして」

アルクたちはお昼を食べ終わると薬草採取を再開してカゴ4つ分いっぱいにすると街に戻っていった。

「平和でいいね、ここ」

「だな」

アルクと花奈がそんな会話をしていると海斗が急に辺りを見渡す。

「どうかしたのか?」

「うん。僕の水魔法の索敵に反応があったんだ。何かこっちに向かっている」

「えっ!ジル、きて」

「きゅい」

花奈はジルを呼んで戦闘の準備をする。

「ジル、みんなに補助魔法をかけてくれる?」

「きゅ!」

花奈はジルに指示を出し、補助魔法を使うように促してジルは補助魔法を発動し、アルクたちに簡易的な補助をかけてくれた。すると奥の方からドドドドと音がする。

「あっちから何かきてるぞ!」

海斗と花奈がアルクの声でそちらを向くと、大型の猪型の魔物がこっちに向かってきている。

「大型の猪型魔物だ!戦闘態勢をとれ!」

アルクの号令のもと花奈と海斗は戦闘態勢をとる。

「まずは花奈の雷魔法でダメージを与えて、次に海斗の水魔法で動きを止める。最後に俺が決める。いくぞ!」

アルクが戦闘の流れを説明して、アルクが魔物に近づいていった。

「雷魔法〈サンダーストームエリア〉」

花奈が雷魔法で雷の嵐を作るエリアを出す。魔物はエリアで止まり動けなくなったが、すぐに抜け出してしまいダメージはあまりなかった。

「ごめん!お兄ちゃん!アルク!」

「大丈夫!水魔法〈ウォーターズロック〉」

「そうだな!花奈、一応もう一回魔法で攻撃できるようにしてくれ!」

「わかった!」

「光魔法〈神々の裁き 百槍雨〉」

アルクが光魔法で槍の雨を降らす。一方、魔物はダメージを負い怯むが決定打にはならず、まだ動き続ける。

「決めろ、花奈!」

「うん!雷魔法〈地獄の嵐封じ〉」

花奈が魔物を激しい嵐の中に閉じ込めて攻撃する。これが決まったのか中から「ブギャァァァァァ」と呻き声がして嵐が消えるとボンと横向きに魔物が倒れて動かなくなる。

「ふぅ、決めたな。大丈夫か、花奈?」

「うん。でも、初めてあんな激しい魔法使ったよ」

「お疲れ様、花奈」

「お兄ちゃん...」

「?」

「う、うわあぁぁぁん。ご、ごわがったよぉぉぉぉ」

「おっと、よしよし。大丈夫だよ」

「だって、じっぱいじたがらおびいちゃんとアルグに何かあっだらどおもだったらこわぐて!」

「うん、そうか。でも、大丈夫だよ。お兄ちゃんもアルクもここに、花奈のそばにいるよ」

「ゔん!ゔん!」

「花奈を置いてお兄ちゃんはどこにも行かないから、落ち着いて。花奈の折角の可愛い顔が台無しだよ。ほら、笑って。ね?」

「ゔ、ゔん!見て、私可愛い?」

「うん。花奈の笑顔は世界一だ」

花奈はアルクと海斗を失う恐怖で心が折れそうになって海斗に抱きついたが海斗は花奈が不安がるのをわかっていたかのように花奈をそっと抱き寄せて花奈を慰める。アルクはその光景を見て、仲間を増やさないといけないという責任感と花奈を不安にさせてしまった自分に不甲斐なさを感じていた。アルクたちは初依頼で少し事件があったが無事に乗り越え、倒した魔物の素材を持って街に帰った。街に入るとアルクたちはすぐにギルドにいった。

「あ、おかえりなさい。アルクさんたち。わぁ!何があったんですか?花奈さんの顔が泣いた後で真っ赤じゃないですか!」

「あ、えっと...」

「僕が説明します。依頼中に魔物に襲われて花奈の攻撃がうまく通らなくてそのせいで僕とアルクが死ぬかもという恐怖で倒した後に溢れてきた見たいで、疲れて寝てしまいました」

「そうですか。魔物に襲われるのはよくあることですもんね。忘れるところでしたが、依頼内容の完了の確認をするのでお出しください」

「はい。アルク、少し花奈を背負っててくれるかな?」

「あぁ、よっこらせっと。重くなったな」

「そりゃね。〈収納魔法 オープン〉。〈取り出し クリリア草とポリリア草〉」

海斗がそう唱えると小さいゲートが出てきてクリリア草とポリリア草が入ったカゴを四つ出してくれた。

「こちらがクリリア草の入ったカゴ二つで、こっちがポリリア草の入ったカゴ二つです」

「うわぁ、たくさん採ってきたんですね。どれも傷がなくて綺麗です。依頼は完了なのでこの量だと...。報酬金は100Lmになります」

「ありがとうございます。ところで、Lmってなんですか?村では物々交換だったので」

「じゃあ、説明しますね。Lmはお金の単位でZmが一円でLmが百円で

Umが五百円でRmが千円でSmが一万円でKmが一億円でGmが一兆円で一億五千万を表すときは1Kmと5000Smっていうんです。だから、今回のお金は500円ということです。わかりましたか?」

「なるほど、よくわかりました。ありがとうございます」

「魔物のお肉は食べれるのであちらのギルドの解体屋に行くといいです」

「はい。そうさせていただきます」

アルクたちはクリヌに言われた通りに解体屋にいった。

「すいません!誰かいますか?」

アルクが花奈を背負った状態で解体屋の部屋に声を響かせる。すると「あいよ。すぐ行くべ」と声がした。奥から出てきたのはいかにも極悪人みたいな顔をした男だった。

「よぉ、何の用だい?あんちゃんみたいな若い子は久しぶりだねぇ」

「アルク、僕が行くから」

「た、頼む」

「魔物の解体をお願いします」

「わかったぜ。出しておくれ」

「はい。〈取り出し 猪の魔物〉。よっと、こちらになります」

「こりゃあいい肉だ。魔物の皮などはどうするんだ?」

「肉と角だけください」

「わかったぜ。少し待ってな」

男は魔物を軽々と持ち上げてサッサッと手を動かして魔物を解体していった。数分後、解体が終わって肉と角を持ってこちらにきた。

「すまねぇな。ほれ、肉と皮と魔物の解体量で2Lmだ」

「ありがとうございます」

「名乗るのを忘れてたな、俺はボリックだ。よろしく」

「はい。では、これで失礼します」

「また来てくれよ」

アルクたちはそそくさと解体屋を出ていって宿に向かった。

「今日は色々あったな」

「だね、今日はもう休もう」

「賛成、花奈もぐっすりで明日まで起きそうもないな」

「明日は街を見に行こうか」

「わかった。おやすみ、海斗」

「おやすみ、アルク」

アルクたちはその日は早めに寝てその日を終えた。

 翌日、アルクたちは街の散策に行くために早くに起きて街にでた。

「街が今日は賑やかだね」

「そういえば、そろそろアレの時期だね」

「アレって何?」

「花奈は知らないのか。アルクはわかるか?」

「うん。アレだろ」

「もう〜2人だけで理解し合わないで!」

「ふふ、ごめんね。花奈。アレというのはこのルーズベルトの伝統的な祭り、『精霊感謝祭』だよ」

「精霊感謝祭?」

「そこは俺が教えようかな」

「頼むよ、アルク」

「精霊感謝祭とはルーズベルトに棲みついていると言われている精霊たちに街の人々が感謝を伝える祭りだよ。理由は確か...」

「『ルーズベルトの厄災伝説』」

「そう!それだ、海斗!そのルーズベルト厄災伝説は〈遥か昔ルーズベルトが栄え始めた頃、ルーズベルトに魔物が大量に襲ってくる厄災が起こった時、精霊は街を守るために力を行使し街に魔物が入るのを防ぎつつ街を守るために現れた〉という内容だ。それが理由で街の人たちは精霊に感謝を伝えるために祭りを開こうと考えたのさ」

「ほぉ〜。でも、なんでそれをアルクが知ってるの?お兄ちゃんの知恵じゃない?」

「な、な、なんのことかなぁ?」

「動揺が隠しきれてないよ」

「まぁまぁ、花奈。もういいじゃないか。僕も花奈に教えるのを忘れていただけだからね」

「お兄ちゃんがそういうならいいよ」

「ありがとう、海斗」

今、ルーズベルトは精霊感謝祭の準備のために大忙しだ。街は今の段階だけでも、色んな属性の形を描いた風船が街にあちらこちら飾られている。

「すっごく綺麗だよね」

「飾り付けが完全に終わった街の夜の景色は現実とは思えないほど綺麗なんだって」

「楽しみだね、アルク」

「うん」

「楽しむためにも買い物に行こうか」

アルクたちは薬草を売っているお店に向かって歩いていった。道中の街の景色は様々な姿に変えて同じ街にいると思わせないほどの変化が起こっていた。そんな街の景色にアルクたちは釘付けになっていた。なんやかんやしていると薬草を売っているお店に着いた。中に入るとたくさんの種類の薬草が売ってあった。

「いらっしゃいませ。本日は何をお求めですか?」

「えっと、回復薬の材料と麻痺と毒状態の回復に使えるものがほしんですがありますか?」

「ありますが、麻痺と毒状態の回復の薬草は危険なもので売るにはギルドカードの提示をお願いしています」

「そうですか。花奈、海斗、ギルドカードを出してって」

「わかった。花奈、貸して」

「はい、お兄ちゃん」

「ありがとう。アルク」

「ありがとな。これでいいですか?」

「アルクさんと海斗さんがL級、花奈さんがN級ですね。L級の人がパーティーにいることが条件なので大丈夫です」

「ありがとうございます。じゃあ、回復薬を10個作る分の材料と麻痺と毒状態を5回分回復できる量でお願いします」

「わかりました。合計で50Zmになります」

「はい。どうぞ」

「確かに、ちょうどですね。こちらになります。レシピも一緒に入っています。ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています」

「「「ありがとうございました」」」

アルクたちはそう言ってお店を出た。少しお店に入っていただけだったが街はまた一段と風景が変わっていた。

「今日はあとは自由行動で午後4時には宿におるでいいかな?」

「わかった。私はジルのご飯を見に行こうっと」

「あ、もういっちゃったね。僕は本を見に行くけどアルクはどうする?」

「また、本かよ...。俺は、テイムする魔物を決めるために魔物屋に行ってくる」

「わかった。また後でね」

「あぁ、またな」

アルクたちはそれぞれ別行動をとりその日を過ごした。午後4時になるとアルクたちは宿におって、買ったものやどんなものがあったか話をしあって夜ご飯までの時間を過ごした。夜ご飯を食べ終わるとアルクたちはお風呂に入って寝た。アルクは数日後不思議な夢を見た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

改革戦争2 @Midnighy53

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ