第10話

森の奥から現れたリリスは、不気味な笑みを浮かべ、俺たちに杖を構えた。その言葉は、俺のチート能力に関する、あまりにも衝撃的な真実を告げていた。


「…下着のサイズや、使用済みか未使用か、にも、大きな影響を受けるのです」


俺は、頭の中でその言葉を反芻し、全身から血の気が引いていくのを感じた。


(な、なぜだ……?なぜ、そんなことまで知っているんだ……?)


俺の手に握られた、エレノアの**スケスケレースのパンティー**。それは、確かにエレノアが身につけていたもので、彼女の身体にフィットするサイズだ。そして、当然ながら、使用済みだ。


一方、図書館で見つけた王女様の白いパンティー。それは、誰のものでもない、新品だった。王女様が落とし物と気づかず、図書館の片隅に落ちていたものだ。そして、王女様の体型を考えれば、サイズも俺の知る限りでは、ごくごく一般的なものだ。


そして、真夜中に見た王女様の**赤いTバック**。あれは、彼女が特別な日に身につけるものだと言っていた。つまり、ほとんど使用していない、新品に近い状態のはずだ。


だが、あの時、俺が感じた力は、絶大な攻撃力だった。まるで、俺の欲望がそのまま力に変換されたかのような、破壊的なパワーだ。


次に見た、王女様の**ブルーのTバック**。あれは、俺の心を穏やかにする癒しの力だった。おそらく、あれも、新品に近い状態だったのだろう。


そして今、俺が手にしている、エレノアのパンティー。これは、間違いなく使用済みだ。そして、俺に与える力は、身体能力の向上。


王女様の新品の下着は、攻撃や癒しといった、直接的な魔法の力を俺に与えた。

エレノアの使用済みの下着は、身体能力の向上という、俺自身のスペックを底上げする力を与えた。


(…もしかして、新品の下着は、魔力的な力を与えて、使用済みの下着は、身体的な力を与えるのか……!?)


俺の頭の中で、一つの仮説が浮かび上がる。しかし、その仮説を証明する暇もなく、リリスは、杖から、不気味な黒い雷を放った。


「…っ!」


エレノアは、咄嗟に俺の体を押し倒し、その雷をかわした。


「勇者様!考え事は後です!ここは危険すぎます!」


エレノアは、そう叫び、俺の腕を掴んで、再び走り出した。


「ふふふ。そう簡単に逃がしませんよ」


リリスは、俺たちを追いかけながら、次々と魔法を放ってくる。


黒い雷が、木々を焼き、地面を焦がす。


俺は、エレノアのパンティーが与える身体能力強化の力で、なんとかその雷をかわしていく。だが、俺は、ただ逃げることしかできない。このままでは、いずれ追いつかれてしまう。


俺は、走りながら、必死に考えた。


(どうすれば……。俺には、攻撃魔法がない。このままでは、騎士団長に任せっきりになってしまう……。でも、俺には、エレノアのパンティーしかない。攻撃的な力は……どうすれば発動するんだ……?)


その時、俺は、リリスの言葉を思い出した。


「下着の**サイズ**や、**使用済みか未使用か**、にも、大きな影響を受けるのです」


(サイズ……?)


俺は、頭の中で、王女様とエレノアの体型を比較してみた。王女様は、細身だが、胸は豊かで、女性らしい曲線美を持っていた。一方、エレノアは、鍛え抜かれた、引き締まった体型だ。おそらく、サイズも違うだろう。


(もしかして、この力の種類は、下着のサイズによっても変わるのか……?)


俺の頭の中で、また別の仮説が浮かび上がった。


そして、俺は、ある一つの事実に気づいた。


リリスは、俺に、**使用済みの下着**の力を引き出す方法を、教えてくれていたのだ。


「勇者様!もう逃げ場はありません!」


リリスの声が、背後から聞こえてくる。


俺たちが逃げ込んだのは、行き止まりの洞窟だった。


リリスは、洞窟の入り口に立ち、不気味な笑みを浮かべている。


「さあ、勇者様。観念なさい」


リリスは、杖から、巨大な黒い雷を放った。


俺とエレノアは、その雷から逃げ場がない。


(くそっ……!どうすればいいんだ……!)


その時、俺は、手に握られたエレノアのパンティーを、もう一度、強く握りしめた。


俺は、エレノアを助けたい。この高潔な騎士団長を、これ以上危険に晒したくない。


その思いが、俺の心の中で、燃え上がる。


すると、俺の手の中のパンティーが、淡い光を放ち始めた。


その光は、俺の全身を包み込み、俺の心に、ある一つの感情が流れ込んでくるのを感じた。


それは、エレノアの**経験**だ。


彼女が、騎士団長として、今まで戦ってきた、すべての経験。


仲間を失った悲しみ。


勝利の喜び。


そして、この世界を、愛する人々を守りたいという、強い思い。


その感情は、俺の心と、俺の体と、俺の魂と、一つになっていく。


俺は、その瞬間、理解した。


この力は、下着の**形状**や**色**、そして**サイズ**や**使用済みか未使用か**だけではない。


その下着を身につけてきた、持ち主の**経験**が、俺の力になるのだ。


そして、その力を引き出すのは、俺自身の**感情**だ。


王女様の新品のTバックは、俺の欲情を刺激し、破壊的な力を与えた。


だが、エレノアの使用済みのパンティーは、彼女の経験と、俺の決意が融合し、俺に新たな力を与えてくれたのだ。


俺は、静かに、そして力強く、雄叫びを上げた。


「うおおおおおおっ!」


俺の体から、眩い光が放たれた。


その光は、エレノアのパンティーが持つ、**スケスケレース**のパンティーの力。それは、身体能力の向上だけではない。


それは、エレノアの、すべてを透き通らせるような、強い意志の力。


光は、黒い雷を突き破り、リリスに向かって、まっすぐに飛んでいった。


「な、なんだと……!?」


リリスは、驚愕に顔を歪ませ、杖で防御するが、光は、その防御を簡単に突き破り、リリスの体を貫いた。


リリスは、苦痛に顔を歪ませ、悲鳴を上げながら、煙のように消えていった。


「くっ……!覚えていなさい、勇者様……!貴方は、まだ、力のほんの一部しか引き出せていない……!魔王様が、貴方を待っている……!」


リリスの言葉は、闇の中に消えていった。


静寂が戻った洞窟の中で、俺とエレノアは、ただ、互いを見つめ合った。


「…勇者様。あなたは、本当に、この世界の運命を救う、勇者なのですね」


エレノアは、そう言うと、俺の肩に、そっと手を置いた。


俺は、手に握られたパンティーを、静かに見つめた。


これは、ただの布切れではない。


これは、俺と、この世界の運命を、そして、エレノアの経験と決意を、結びつける、大切なものだ。


俺は、この力で、この世界を救ってみせる。


それが、俺に与えられた、新たな使命だ。

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