人間の狂気を描ききった気色悪さ満載の傑作。

 私には社長の父と弁護士の母がいる。一見するとエリートの娘に思えるかもしれないけど、実は父も母も気が狂っているんだ――。

 本作では、「私」の視点で父と母の常軌を逸したような行動が描かれます。「私」の一人称視点が狂気に満ちた両親を描くうえでいかんなく効果を発揮していて、読んでいるこっちが気分悪くなってきそうなレベルです。

 こんな両親の元に生まれるなんてなんと気の毒なんだろう――いくつもの凄惨な描写を前にそんな感想が浮かんできたとき、衝撃の結末が訪れます。

 見えていた世界は文字通り反転。張り巡らされた伏線がある一点に収束します。

 あとはもう何を言ってもネタバレになるのでやめておきましょう。結末はあなたがご自身の目でお確かめください!

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