第4話 召喚!鞍馬天狗!

 特にイベントも無かったので3歳までスキップ。


 3歳になると母と父が離縁して、母は実家に帰ることになってしまった。


 どうやら母親の実家が松平と敵対してしまったらしく、それで離縁だと……。


 こればっかりは戦国の世の習いだとしてもやるせなさを感じてしまう。


 まぁ死んだ訳じゃないのでいつかまた会えると思って切り替えていこう。


 実母より内藤のまつさんの方が色々俺にしてくれているので、愛着湧いているのは母親より乳母のまつさんだし……。


 さてさて、意識が覚醒してから3年、ガチャを引くこと約1万回。


 沢山SSRやURが出たが、俺のステータスを含めて紹介していこうと思う。


 では俺自身を鑑定! 


【松平竹千代】


 統率 20(年齢制限)

 武力 20(年齢制限)

 知略 20(年齢制限)

 政務 20(年齢制限)

 魅力 68

 器用 20(年齢制限)


 能力

 ・鑑定・ガチャ・前世の記憶

 特性

 ・毒耐性・健康・鍛錬上手・教え上手・覚え上手・早足


 各種能力の数値は上限まではSRの能力値上昇カードで上げて、上限が外れるまでは筋トレをしたり、勉強をして経験値を貯めておく。


 経験値を貯めておくと、キャップが外れた瞬間に能力値が少し上がるのである。


 他の人の能力値的にMAXは100だと思うので、なるべく早く全能力を100にしていきたいと思うが……。


 特性に関しては、生死に関わる毒耐性をいち早く習得し、健康は病気にかかりづらくなるという物。


 鍛錬上手は能力値関係の貰える数値が50%アップするという物で、カードがダブついていたので習得してみた。


 鍛錬上手が破格の性能をしていたので、今取れそうな上手系の特性も覚えてしまおうと、覚え上手、教え上手を習得。


 教え上手は相手に持っている武芸、内政系特性の伝授率を上げると言う効果で、まだ適する特性を持ってないので効果は無い。


 覚え上手は逆に他の人から特性を習う際に習得率を上げる効果で、武芸を習い始めれば効果が出るだろう。


 早足は足が速くなるという単純な物であるが、まだ3歳、気持ち速くなった程度である。


 そしてSSRが現状150種類確保し、一部ダブりもあったものの作物系が一番多く、次に機械やカラクリ系、一番少ないのが20種類の武器や防具系である。


 ただ武器系は効果が凄く、血を吸う事で切れ味が落ちない刀や風を味方に付けて、普通より遠くに飛ぶ弓みたいに何かしらの能力を持っていた。


 最後にUR。


 ガチャ絶対に1%じゃないと思う。


 だって1万回引いたのに40人分しか揃ってないんだもの。


 排出率絶対にいじられてる。


 ガチャをしてみてわかったが、やはりURは英雄、神、妖怪の3種類だけっぽい。


 まぁそれ以外に何があるんだって話ではあるが……。


 現状死蔵している状態ではあるがそろそろ何か使って見ても良いと思い、召喚された者は基本俺に忠節を誓うとされていたが、それでも人に友好的な人物を選ぶ。


 選んだカードは鞍馬天狗。


 妖怪の中でも特段有名なのを選んだ。


 俺はカードを使用すると脳内で宣言すると、カードが光り輝き、俺の目の前に中性的な白髪の青年が現れた。


 ちゃっかり天狗のお面を頭に付けて。


「お初にお目にかかります。鞍馬天狗と申す者でございます」


「お、おう……本当に……召喚できた」


「失礼」


 鞍馬天狗が指を弾くと俺の近くに教育係の石川が現れた。


 不味い、鞍馬天狗が見られたと思ったが


「おや、鞍馬殿ではございませんか。今日は何用で」


 おや? 


 石川は親しげに鞍馬天狗に話しかけている。


「殿より若様に武芸の指南を任されまして」


「そうでしたか。若様も鞍馬殿に剣術を習うのですよ」


 そう言って別の場所に移動していってしまった。


「鞍馬天狗今のは……」


「いきなり人が現れれば困惑しますからね。認識を調整させていただきました。これからは松平家に仕える鞍馬家当主の鞍馬法眼でございます」


「これは召喚された者は皆そうなるのか?」


「はい、召喚されれば何かしらの辻褄合わせが発生するかと」


「なるほど……鑑定してみてもいいか?」


「ええ、どうぞ」


 俺は鞍馬天狗こと鞍馬法眼の事を鑑定してみる。


【鞍馬天狗(鞍馬法眼)】


 統率 98

 武力 150

 知略 99

 政務 85

 魅力 90

 器用 100


 分類 妖怪

 能力

 ・天狗の秘術・福の神・舞空術

 特性

 ・武神の心得・剣神・神歩・天狗の頭領


「強っよ!」


「ご満足いただけましたが」


 武力なんか上限の100超えて150あるし……どんだけ強いんだよ……。


「せっかく私を一番最初に召喚いただいたので、色々説明しておきましょうか」


「お願いします」


 鞍馬曰く、まずカードから召喚される英雄、妖怪、神は全員受肉して、人間の枠組みになるのだとか。


 例えば天狗でも赤い顔に長い鼻となっていれば人間社会に溶け込むことができないので、異型の者でも人間の姿に化けることは出来る様になっているのだとか。


 勿論人間の枠組みになっているので召喚されて一定の年月が経過すれば天に召されてしまうらしく、何年活動できるかは運次第だとか。


 まぁ戦等で戦死したりしなければ50年以上は活動できるのでそこは安心してほしいとのこと。


 あと、先ほども説明されたが、召喚された者はその人物に都合の良い身分に書き換えられるらしく、現に鞍馬は鞍馬家という架空の家を立ち上げて、松平家に代々仕えていると言うことになっていた。


 あとはカードから召喚された者には俺のダブついているカードを融資することもできるらしい。


 覚えてもらいたいスキルを覚えさせたり、一定期間経験効率上昇のカードを使って能力値を上げるように努力させたりもできるのだとか。


「あと、私の場合天狗系の頭領に伝承がなっているので、もし他に天狗を召喚したら私の支配下になるのでご了承ください」


「なるほど……伝承などで関係性が決まったりするのか……」


「説明はこれくらいにして、どうです? 源義経を鍛えた様に、竹千代様も立派な武士に鍛え上げましょうか?」


「……戦国の世で生きていく為に必要だな。よろしく頼む」


「ええ、ビシバシ鍛えていきますからね」







 武神とも言われる鞍馬のシゴキはなかなかに辛い物だった。


 例えば3歳児に素振り1000本なんて普通できないのであるが、カードを使って一時的な肉体強化をすれば達成できるでしょと言われ、無理やり達成したり、川に落とされて泳ぐように言われ、溺れないように必死に泳ぎ……弓も筋力を強化して引ける様にして的に当たるまで何度も射らされた。


 Nの身体強化系のカードを使うと反動で全身筋肉痛になるが、それも治癒カードで痛みを治してと、常人にはできない方法の鍛錬をやらされた。


 これぐらいしなければ戦国の世では生きていけないと思いながら、俺は鞍馬のシゴキを死にかけながら何とか耐えるのであった。

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