5話 新たな日常。君と僕の授業。
次の日。MVPの表彰と、1番のクラスの表彰が学堂で行われた。
「ではまず、アラル•レオナル。上がってきてくれたまえ。」
学園長に呼ばれた僕は席を立つと壇上へと向かう。
「貴方はこの学園を守り、人のために戦ってくれました。それをここに称します。」
賞状を貰うと、壇上で僕はスピーチをする。
「あっあー、、、お久しぶりですね。ここで喋るのも。最初はここで転んでしまって、、、恥ずかしかったです。」
少し笑いをとると、真面目な話を始める。
「さて、私からの話は4つです。1つ目、この前のあの賊は討伐しました。それを手助けしてくれたのはクレアさんだ。彼女にはしっかり礼を言うように。それと、今回のでよくわかったと思うが、どんなやつであろうと私には勝てない、、、それがよくわかってくれたと思う。だからゆったりと学び、強くなってくれ。」
僕は微笑むと、前にある3人を呼ぶ。
「2つ目。つい先日、未来の勇者、剣聖、聖女が誰かわかった。勇者シルフ。剣聖アカネ。そして聖女トーナだ。ということで、学園の方針で俺の魔法学の授業が減り、特進科の担任となることになった。そしてついでにここで、特進科に選ばれた奴を発表していく。先述した3名の他、クレア、クート、、、そしてユラの6名だ。」
俺は自分のカンペを読みながら(学園長が書いた。)最後の人物に驚きながらも3名を席に返して、残り2件について話す。
「3つ目、この学園は実力主義だ。実力の無いやつは下のクラスだし、すぐに死ぬ。だから、、、侯爵家だから、、、などの家を出した発言をする奴は潰すからよろしく頼む。勿論王族含め、だ。僕はそういう差別的なことはしたくないからな。
そして最後に4つ目、、、みんなは異界から来た勇者がいると言ったらどう思う?」
僕がそう言うと学堂内に数秒の沈黙が生まれた。そこで僕は真剣な眼差しで話し出す。
「勿論お前らはただの魔王討伐の駒だと思うだろうが、、、国で見ればそうはならない。呼び出したのは法国だ。法国は長年帝国の属国となっていたが、異界の勇者の呼び出しに成功した今、戦争のために使う可能性だってある。」
そう言うと周りから不安の声が出てくる。
「まあ君たちの不安もわかる。、、、だからこそ、私たちは強くならないとならないし、さらなる強者が必要だ。故に、、、これからは全力でお前らを強くする。そのために、、、かなり不本意ではあるんだが、、、教師含め彼らの授業を受けてもらう。」
そして俺は昨日決めていたとおり、あいつらを呼び出す。
「我の名を持って,今、命ずる。
現れよ、世界最強の悪魔達。
ーーー大罪の悪魔。」
刹那、九名の悪魔が現れた。
「まずサタンから紹介していきます。」
サタンに合図すると彼はお辞儀し
「ご紹介に預かりましたサタンと申します。科目は魔法剣術。少なくともどんな奴でも王国守護剣士レベルになるだろう。」
多くの男子生徒が喜び、1部の先生も少しソワソワしていた。
「さて、この学園では800名ほど1年生から6年生までいる。サタンクラスは50名を受付する。」
そして次々と俺は9名を紹介すると最後に自分の説明もする。
「さて、そして最後だ。俺の科目は全戦勝力。まぁ分かりやすく言うのであれば、先程の全ての科目の更なる向上を目指す科だ。正直ここまで来れば、SSS級冒険者として活躍することくらい余裕で可能となる。だから、、、強くなりたい奴はここまで登り詰めろ。俺は上で待っている。絶対に自分なんかと思うな。自分に自信を持ち続けろ。」
そうして演説を終えると各自教室へと戻るのだった。
「さて、新しいメンバーは、、、クート以外は見た顔しかないな。まぁ、改めて自己紹介しておこう。アラル・レオナルだ。世界最強の冒険者だ。今後の国の為にお前らには実戦をしてもらう、、、だが、、、クレア。君は僕の特別メニューをやってもらう。君なら出来そうだからね。」
そして一通り、自己紹介も終わったところで軽く他5名に指示を出し、外に出てもらった。故に今は僕とクレアだけが教室に残っている。
「あ、あの、私に出来るもの、、、とは?」
「、、、少し、、、本当に短い僕の昔話、、、聞いてくれないかな?」
僕は少し不思議そうに頷くクレアを見ると、あの時のことを思い出しながら話す。
「僕は昔あるところの執事をしていたんだ。その姫が好きだった。約1週間弱。僕はその人に仕え続けた。あの時はとっても楽しかったよ。でも、、、最後の日、、、ある奴に殺されたんだ。、、、聞いたことは無いか?【公爵領崩壊事件】」
「え?それって、、、城が壊れてそれが街にまで行ってしまっただけだと、、、」
「それは王国が僕のために隠してくれただけだよ。真実は、、、“俺が全て壊したからだ。”」
「え?でも、私も見たけど、、、あんな壊れ方、、、人がやれる訳、、、それに、、、心が持たないんじゃ、、、」
「僕は、その日、、、2人、大事な人を無くした。1人はその姫を襲おうとした俺の師匠。そして、、、誘拐された姫だ。だから俺はキレて、、、悲しくなって、、、いらいらして、、、心が1度壊れたんだよ。」
「それは、、、なんと、、、」
「だからさ、初めの時含め、、、この王国の貴族は嫌いなんだ。特に上にいるやつはね。、、、あ、アカネはちょっと特殊かな。あの時助けた人をわざわざ嫌う必要は無いからな。」
「なるほど、、、それで、、、授業と、、、なんの関係が?」
「私は姫が好きでね、、、あらゆる事を教えて来ました。、、、私の十八番魔法、、、冥天魔法、、、それはかなり簡単でしてね、、、あなたには死んで欲しくないので、、、習得してもらいます!」
「、、、え?」
そして僕と彼女の魔法授業を始めるのだった。
「さて、、、冥天魔法について教えようか。」
「は、はい!よろしくお願いします!あらる先生!!」
その言葉に嬉しすぎて鼻血を流しながら冥天魔法の説明をする。
「まず、冥天魔法は、、、最近わかったことだが、、、ほぼ大体の人が出来る。」
「そ、そうなんですか?で、では、もっと多くの人にーー」
「まぁ、出来る、、、まあ可能ってだけだ。理論上な?分かりやすく言えば、、、魔族侯爵級の魔力量で4発放てるんだ。ちなみに、冥天魔法は魔力その物に属性を入れ込んだものだ。」
「え?それって普通の魔法と変わらないんじゃ、、、」
「あぁ、、、俺もこの前までそうなんじゃないかと思ってたけど、、、魔法って深いよな、、、普通の属性魔法は1度魔力に術式を挟んだ上でその上に属性を乗せる。、、、だが、この冥天魔法は魔力その物に属性を乗せる、、、ここからはこの魔法の利点だ。冥天魔法は最初簡易版の属性魔法だと思われがちだが、この魔法には利点が二つある。1つ目は魔力に乗せるので、術式を挟む普通の属性魔法よりも威力が高くなる。2つ目は、威力が魔力量によって変化すること、、、分かりやすく言うなれば、、、魔力量を多く込めて放てば、お前がこの前苦戦した相手の魔法を一瞬で越えられる、、、さて、、、冥天魔法、、、学ぶ気になったかい?」
僕はそう彼女に問うが、それは元から必要なかったようで
「先生にオススメをこんなにされてるんです。もちろんやるに決まってますよ。」
彼女はそう言って微笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます