1章三幕 最愛の人の為二
プロローグ ただいまとアラルの怒り
ココ最近は冥天魔法を教え、他5名にはアカネにはアサネと師匠を当て、残り4名には1人ずつ着いてもらい、魔物討伐をしてもらっている。俺もそこまで鬼じゃないのでC級を狩らせているのだが、帰ってくる時にはみんなボロボロの状態の時が多い。何故だろうか。
「よし!これで全ての冥天魔法を覚えれたな!実を言うと1年は覚悟していたんだが、、、まさかの1週間で完成系にまで持っていくとは、、、あいつも頑張りゃ出来たんだろうな、、、」
「、、、まだ、、、後悔してるんですか?」
クレアが顔色を伺いながら聞く。
「、、、してるよ。あの時もう少し、、、コンマ数秒でも、早く出来れば、、、アサネを助けられたのに、、、」
「でもアサネって、、、」
クレアはあの人形ことを言っているのだろう。あんな粗末な品、、、失敗にも程がある、、、
「失敗なんだよ、、、心も戻ってなくて、、、喋れない、、、身体だけしか、、、動かない、、、僕に、、、完璧な治癒が出来れば、、、生き返らすことだって、、、出来たのに、、、」
「え、でも、、、魔法使えて、、、」
「アレは、、、ん?使えた?、、、いやいやいやいやいや、、、おかしくない?だってあれは不完全な術式、、、それに魔法って、、、待てよ?まずまずの話、、、あの時点で死んでいたのは事実、、、だが、術式を何度も重ねがけしている今、、、完成した、、、のか?」
僕は今猛烈に感動している。あの時僕が失敗したと思われていた。なぜなら完全にあの時失敗していると思っていたからだ。
「、、、となると、、、アサネ、、、生きて、、、るのか?」
僕はクレアと共にアサネのいる僕の寮に向かう。そこには、、、
カタカタカタカタ、、、
中ではコンピュータをいじる音が聞こえる。
「あっ、おかえり!みん、、、な、、、」
アサネはいつもの4人が帰ってきたと思っていたが、今日に限ってアラルが早く帰ってきてフリーズする。
「、、、アサ、、、ネ?」
だがそんなことは彼にとってどうでも良いのだ。1番守りたかった人がしっかり生き返ってくれたんだから。
「えーと、、、先生!許して?」
と言ってもアサネはアラルが怒っていると思っているが、、、そんなことは無い。大好きだからこそ、、、守ってやれなかったからこそ、、、怒るなんてことは出来なかった。そして出てきた言葉はーー
「生きてて、、、くれてたん、、、だな、、、」
「え、あーうーんと、、、生き返ったのかな?多分。先生の理論で行けば、私の肉体は魔法で1部補っているから、魔力を与えられれば生き続けられるって、、、」
「ん?先生?誰だそれ?」
「それはね!先生の先生だよ!」
「ま、紛らわしい言い方、、、でも、、、ということは、、、師匠、、、あの人も大丈夫になったんですね、、、良かった、、、良かった、、、」
本来死んでいてもおかしくなかった2人が生き返ってくれた。それだけで満足だが、1つ気がかりが出来た。
「2人ともいつ意識が戻った?少なくとも復活すぐでは無いとして、、、新しい術式をかけた後?」
そう、いつ覚醒したかだ。もしココ最近、、、それもクレアと会った時辺りなら終わりだ!好き好き言っときながらバレてたら連行案件だぞ?
「んーとね、、、アラルが怒った辺りかな?それまでは意識が朦朧としてた。でも、、、アラルが怒った時急な怒りの感情に覚醒したんだよね。だから、、、助けてくれてありがと、、、執事。」
それは1年間聞けなかった、待っていた言葉だった。
「ええ、お帰りなさいませ、お嬢様!!」
「ただいま、執事。」
その後、クレアがいなくなっていることに気づき、すぐ教室に戻る。誰もいなかったが、部屋には手紙がひとつ置いてあった。
『あの時の場所でお前を待つ。
オラウー』
そこまで読んで俺はその紙を燃やし、転移して闘技場に転移した。
「は、速かったな!レオなる!」
そこにいたのは元貴族のオラウータンの子息。そしてクレアだった。
「だ、だが!これからお前は俺に負ける!この薬でー」
そう言おうとした瞬間、僕は既にそいつに触れていた。
「強制転移。帝城上空」
「は?これ、何起こってーー」
「、、、お前は何をしたかわかってるか?俺の好きな人を殺そうとした、、、それはな、死刑実行の合図なんだよ。俺はお前を許さない。たかが家が潰れただけ、、、そしてお前自身何もしていない、、、この世界のゴミだ。お前は俺に敵意を持った時点で死ぬのは確定してんだよ。」
そう言うと俺はそいつから手を離し、支配系能力を放つ。
「《次元空元素支配》歪世界〜斬〜」
ありとあらゆる万象の物を斬り消す力のある斬撃は見事にそいつと帝城を切り裂き、ほぼ全てが無くなった。
翌日、帝国の皇帝がSSS級冒険者なのにとほざいて八つ当たりしてきたが、こっちは前世何度もお前らに苦しめられたと思ってるんだと皇帝の言葉を無視してクレアとアサネのことを考えるのであった。
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