4話 恋から始まる学園生活。〜いじめっ子退学を添えて〜

俺は目の前で倒れそうなアサネをお姫様抱っこし、周りを見る。


「誰だ?こいつを傷つけたミジンコは?」


幹部を全員討伐する直前。


微かな魔法が2回放たれた。一回目は特別珍しい魔法が放たれた訳では無いが、問題は2発目だ。2発目はどこか懐かしい魔力の波動を感じた。それは約2年前にもう一生感じれないと思った最愛の人の魔力。


「、、、アサネ?」


どうして今その魔力が来たのかは知らないけど、また、、、会えるのなら、、、しかし、そこでもう1つ感じたのはその魔力反応が消え始めたこと。突然のことで頭が追いつかなかったが、今ここで「まあいいか」で済ます訳には行かないと思った。そして、ここで行かなければ一生後悔するとも思った。


「誰だ、、、俺の人にちょっかいかけてきているゴミは、、、時元空魔法 転移 転移先 アサネ。」


俺は過去最大の殺気を出しながらアサネの所へ転移し、先の状況になった。


「で、誰だ?アサネを傷つけ、、、」


僕はアサネを見た時、キレていたが、その子を見つけた時、泣いた。


「な、なんですか?」


彼女は困惑していた。突如現れたと思ったらその子にガン見されるのだから。


「あ、いや、、、君って確か、、、ライナス家の、、、クレアだよね?」


容姿端麗、Aクラスで僕に続いて強い文武両道の女の子。そして、僕がこの乙女ゲー世界で1番大好きな女の子。魔王女 クレア・ライナスだ。


「なる、、、ほど、、、僕からアサネダケデナククレアまで、、、」


アルクラは焦った。情報は武器にもなるなめしっかり、情報収集は怠らなかった。だからこそ、異例の最年少SSS級冒険者第1位、、、確か二つ名は、、、


「冥天王ダルカナ!」


そう言うと俺は久しぶりのその異名に笑った。


「あはは!久しぶりだなぁ!その異名はよ!」


最近は全然その名で呼ばれなかったからな、、、あ、そういえば最近冒険者ギルド行ってねぇな、、、そろそろ顔出さねぇと。


「相手にとって不足なし!このアルクラがお前を倒してーー」


「冥天魔法 冥滅」


その言葉は最後まで続かずアラルによって滅されるのであった。


「ま、だからなんだって感じなんだけどな。」


大罪連のボスはある意味チュートリアルボス。少し苦戦するかなレベルだったんだが、、、ま、少し早かったからな、、、これから俺が鍛えていけばいい。


「あ、あの助けていただいてありがとうございました。アラル様。」


その言葉に私は少し聞き覚えがあり、そして改めて見て、泣いた。


菅原永利だった頃。僕はいつも通りこの乙女ゲームを遊んでいた。と言っても、初めて少し経ったくらいで、好きなキャラなんていなかったし、嫌いなキャラも居なかった。

第一章が終わる頃。ボス戦に入る前、ある子の悲鳴が聞こえた。多分襲われた声、、、手遅れなんだろうな〜と思いながらボス戦をスタートした。そこではボスと戦っている子がいた。それを見た時、私は息を忘れるほど美しいと思った。

正直付き合うならこんな子がいいなぁ〜なんて思ってたりもした。

しかもそれを直で見れた。もう思い残すことは無い、、、夢ならだけど。だがこれは現実だ。


「ああ。全く問題ない。あんなのは何千何万来ようが僕が潰してやるから。」


現実なら絶対にこの子を守りたい、、、あれ?そういえばなんか忘れてるような、、、


「おい!調子乗ってんじゃねぇぞ!男爵家が!」


そんな声が先程まで戦場だったここで響く。


「あ、あのアラル様、別に気にしなくてー」


クレアは目の前のアラルの顔を見て少し恐怖を抱いた。


「何が、、、“男爵家だと?”たかが侯爵の子供が、、、何をほざいてやがる?わかってねぇようだから教えてやる。侯爵家ごときしっかりとした強さがない限り、いくらでも潰せる。俺は国同士の戦いに関与できない、、、だが、それはダルカナでの話。お前が帝国に行きゃあ俺はアラルとしての立場で帝国ごと滅ぼせる、、、いいか?今回は目を瞑ってやる。お前が彼女に少しでも危害を加えようとすれば、、、いや、“その思考をした時点で”侯爵家を潰し、お前らを帝国に強制的に出し、それを口実に帝国ごとお前らを殺す。」


「な、な、辺境伯の子供ごときがーー」


その言葉が続く前に彼の目の前に魔剣が現れる。


「そのいらない口を消されたくなかったら閉じて俺らの目の前から去ね。」


ドスの効いた声で彼に言う。


「く、お、覚えてろ!」


そう言って去ったゴミなどどうでもいい。直ぐに僕はクレアに満面の笑みで話す。


「さて!多分初めまして、、、かな?クレアさん。」


「は、はい、アラル、、、様?」


「あっはは。緊張しなくていいよ!アラルでいいよ。」


「は、はい、あらるさん、、、で、ですがどうして助けてくれたのですか?あの人に何されるか分からないのに、、、」


彼女なりに心配してくれているのだろう。だが、それは杞憂だ。


「安心してくれ!仮に僕が襲われても絶対に負けることはないし、君を襲おうって思考した時点であの家は破滅する。だって、僕に逆らったんだから。」


「なんで、、、そんなことが出来るんですか?」


私はその質問には答えてはいけない。なぜなら王女の話は内密だったから、、、だが、、、僕は好きな人にはとっっっことんあまぁい。


「昔王女の病を治したからだよ。」


「え、それって男爵家ごときの私が聞いちゃダメな話じゃ」


「いいんだよ。だいたいこれ王族もそのしっかりとした理由知らないし。あ、君には本当のこと言ってもいいかな、、、聞く?」


「え、まぁ、聞かしてくれるなら、、、でもそれって王族にまず言わなきゃじゃーー」


「王女にかけられていた病は死纏病。それは5年で死に至る恐ろしい病であると言われている。ま、それは魔族が流した嘘だが。本当は魔族の魔法、、、魔毒によるものだ。あれは吸いすぎると俺でも倒れ込む。それもあれは無臭だからな。術者本人を潰さねぇとならねぇ。、、、ま、あのころの僕はかなりのキレ症でね、、、腹たったやつを潰したら、、、魔族だったわけよ。」


「え、魔族って、、、じゃあ魔王も復活して、、、勇者も?」


確かに勇者は伝説みたいなもので、どんなやつかは分からない、、、が、今回の話は多分かなり拗れているからこそ復活する可能性が少ない。根拠は2つ。

1つ目はあるものと無いものがあること。

青ちゃん達クラスメイトがいることや、女神という存在、、、いや、もしかしてアレは、、、違うのか?まぁ今はいい。他にも主人公が未だに覚醒していないこと。それはトーナもだが、、、だとしてもだ。あるはずのないものと無いはずのものが混じっている、、、全てあれのせいと言うなら、、、いつかあれとぶつかる羽目になるのだろう。

2つ目はおかしい存在だ。

大罪、そして俺自身、、、本来の俺の能力は【◾︎◾︎】と【◾︎◾︎】なのにないということ、、、謎が深まるばかりだが、、、やはり勇者のスキルが覚醒してないことが1番の気がかりでもある。


「ん〜、、、多分、存在はしているだろうな、、、だが、、、どんなやつからでも僕は君を守ろう。魔王だって、勇者だって。あるいは神だって。」


「なんで、、、そんなにしてくれるんですか?」


その質問は当たり前だろう。だって急に彼女に対して優しくなって、、、もはや恐怖レベルだろう。


「ん〜、、、一目惚れ、、、かな?僕は君が好きだからだよ。」


そして、その後学園長に起こったことを話、帰るのだった。それにしても終始クレアが顔を赤くしていたけどどうしてだろ、、、疲れたのかな?


そう思いながら眠りにつくのであった。

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