5話 VS【大罪連】sideサタンandシック

大罪連。この試験は途中でこいつらのせいで中断することになる。九人の実力者はいわゆる負けイベントで誰にも勝てない。教師陣も。だからこそ俺が止めなくちゃなんだが、、、


「ぶっちゃけ余裕だな。」


後半の部も始まり激戦とかし始めたクラス対抗戦。俺は空でそいつらがうごくのを待っていた。


「、、、あ、待てよ、なんで俺が動かなきゃいけないんだ?、、、目には目を歯には歯を大罪には大罪を、、、さぁ、宴の始まりだ!大罪ども!」


そして俺はお決まりのように8体を呼び出し、それと同時にあいつらを呼び出した。


「てことで、一体ずつ、各自の専門へ。そして、茜達もこの中の1人と当たれ。、、、まだその大罪は手に入れてなくてな、、、頼んだぞ、」


「「「御意!!」」」


そうして皆は散らばり、俺はある地点へと急ぐのであった。


《sideサタン》


「我が王もかなり変わったな。」


そう言いながら森を歩く。


「やはりあのダンジョンで変わってから、、、人が良い方に変わった、、、あそこへ行って、、、本当によかった。」


蒼神のダンジョンで私らは窮地に陥った。最強でさえもどうにもならない生理現象、、、空腹だ。最悪なことにそこには誰も創造やらの能力を持っている奴は居なかった。尚且つ王のスキル【転移】さえも封じられる始末。完全に詰み状態だった。まだ王はアサネ殿のことを悔しく思っており、誰も話しかけれなかった。だが、そこで歩んだのが、憂鬱のシックだった。


「我が主よ。少しよろしいでしょうか?」


「、、、なんだ。シック。そういえばお前の能力は感情同期だったな、、!?、」


王は何かに気づいたようにシックの胸ぐらを掴みドスの聞いた声で彼に問う。


「お前、、、奥の奥まで見たか?」


ここら一帯を覆う殺気に私達は身震いをして、土下座をする。だがシックだけは違った。


「申し訳ございません、、、でも、わかってしまったからこそ思うことがあるんです、、、ここまでよく頑張りましたね。王よ。」


「、、、バカシック」


そう言って軽くシックを小突く。


「、、、なんとなく、、、起点を思い出したよ。僕は、今も昔も褒められたかったんだな、、、」


そして王は私たちの方を向いては少し眺め、はにかみ笑いで呟いた。


「迷惑かけて、、、すまなかったな。」


誰も迷惑なんて思っていない。だけど、その時だけは本当にただただ嬉しかった。



「本当、、、優しい王だ、、、だからこそ、雑魚に王の手を煩わすなど片腹痛い。なぁ、そう思わんか?小童よ。」


「前半は同意するけど、後半は否定させてもらう。」


サタンは目の前に現れた存在を見下して、ため息を着く。


「なんだよ。俺じゃ不満か?」


少し嫌味で言う青年にサタンはまたため息を着く。


「不満しかあらんだろ、、、雑魚では何も王に褒められんではないか、、、まあいい、これを倒してなんか貰うとするかの」


そう呟くと殺気を出して軽く構える。それを見て青年も構え、互いに攻撃を仕掛ける。


「憤怒術式【焦土】」


「火魔法火焔祭」


日の最高上位術式対火の最高魔法どちらも強いが、熟練度の差、そして火力差が圧倒的だったのはーー


「ガキが、、、舐めてるからこうなるのだよ、、、さて、まだやる元気はあるかの?」


サタンはまた構えながらそう問う。


「大罪連憤怒の柱を舐めるな!」


青年はサタンへ走り、殴り掛かる。そこに小細工などはなく、サタンはそれに微笑み、ある刀を召喚する。


「【冥獄刀】、、、さて終いじゃ。魔流 天下一閃」


ずっと目を細め、軽く横凪一閃を放つと、走ってくる男の断末魔が聞こえ、サタンは微笑みながら呟く。


「これだから弱きものは、、、強きものに支配されるのだよ。」


ま、昔の俺もか、と呟いてはその男の首を切り落とし、王のところへと戻るのであった。


《sideシック》


初めて王に会った時。僕は嫉妬した。こんなにもすごい悪感情が出せるなんて!と。でもそれと同時に恐怖も感じた。こんな魔力量は人1人が持っていい力ではないのでは、と。


少し経って、ダンジョンに来て私は改めて自分のスキルを確認した。

【感覚共有】他者との感覚、感情、過去を見たり、見せたりが出来るスキルらしい。それを聞いた時、私はある一つの悪知恵が閃いてしまった。王の過去を見てみようと思ったのだ。そこで私は改めて王は異質だと思った。少し“前世の世界”が見えたり、能力を使う時たまに暴走したり、、、今の王からは見られない姿だった。


「我が主よ。少しよろしいでしょうか?」


「、、、なんだ。シック。そういえばお前の能力は感情同期だったな、、!?、」


王は何かに気づいたようにシックの胸ぐらを掴みドスの聞いた声で彼に問う。


「お前、、、奥の奥まで見たか?」


ここら一帯を覆う殺気に他の仲間は身震いをして、土下座をする。だが私だけは違った。

ここで聞かなければ一生後悔してしまうと思ったから。私は王の方をじっと見つめ、言葉を紡ぐ。


「申し訳ございません、、、でも、わかってしまったからこそ思うことがあるんです、、、ここまでよく頑張りましたね。王よ。」


そう。見てしまったのだ。王がどれだけ頑張ってきたか。だからそれを褒めるべきなのだ。ここまで1人で頑張って来たのだから。誰かが何かのゴールを与えないとこの人はいつか、この世界ごと壊してしまいそうだから。


「、、、バカシック」


そう言って軽く私を小突く。


「さて、王に力を見せたことは一度もありませんでしたね、、、だからここで見てもらいましょう」


そう言って刀を構える。


「はっ!憂鬱の柱様を舐めてるんじゃないか!」


槍を構えた彼はシックに向かって走る。だが、それを嘲笑うかのようにシックは槍に手をかざす。それに首を傾げつつも突きを放つが、それを放つ時に気づいた。槍がふにゃふにゃにされてしまったのだ。


「なっ!なんだこれ⁈」


一抹の不安を浮かべ下がろうとするものの、時すでに遅し。


「そこまで良いものではありませんな、、、伝説級、、、魔法武具ですか、、、私たちから見れば木の棒レベルですから気にすることもないですな。」


そうしてシックは男を見て嘲笑い、この場を支配するほどのオーラを持った槍を出す。


「【冥天槍】ーーー終わりですな。眼鬼ュ羅」


男は驚いた、、、いや、驚く暇すら与えられたかった。突如として目の前から消えたと思いきや、つぎの瞬間には上と下は真っ二つにされていて、次の時には感覚全てが消え去っていた。

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