1話 アサネとのファーストコンタクト
「さて、お嬢様、失礼します。朝でございます。早く起きてください。」
部屋の扉前からそう声をかけるも反応はない。その後も何度か呼びかけたが、、、反応なし。なので部屋に入りちょいとイタズラする。
「生活魔法、、、速乾性水イタズラ」
そう呟くと冷たい水が空中で作られ、顔にぶつかると同時に消える。それと同時に少女は起きたがー。
「あ、あのね!?執事なのにそんな乱暴でいいの⁈てか誰⁈また違う人なの⁈」
「今日から新しく執事となりました。アラル・ダルカナと申します。以後お見知り置きを」
「え、小さいわね、、、まあいいわ、、、よろしくね。アラル」
「はい、お嬢様。さて、今日のご予定ですが、、、とりあえず着替えてから朝食時にお話させていただきます。」
「え、えぇ、わかったわ。とりあえず部屋から出てって頂戴!!」
「お嬢様、、、一応言っておくと私仮面つけてると何も見えないので、、、お気になさらず」
「私が気になるのよ!というかだったらどうして部屋とか入れるのよ!」
「え?気配でわかりませんか?ものにもあらゆる人にも何かしらの力があるので。それを読み取ればなんだってわかりますよ」
「貴方が常識を逸していることはすぐにわかったわ、、、でも気が気でなくなりそうだから出てって!!」
と言われたので仕方なく出ていった。ま、この仮面実は見えなくしてあるだけで設定で見えるようにすることも可能だ。だがそれをしないのにはわけがあった、、、
(声可愛すぎかよぅ!顔見たら俺そのまま死ねる自信あるぞ!それにあの仕草!感覚で見えてたから言える、、、悶絶して死ぬところだった、、、あれは、、、あれだわ、、、世界最強だわ。)
アサネはダルカナ、、、もとい永利の推しの1人だった。だからこそこの襲撃後絶対にあのゴミ公爵は処刑だ。生きていることすら後悔させてやる、、、生き恥なんてものは生ぬるいくらいの、、、本気で潰しに行くつもりだ。と言うか、決定事項。やりに行く。
なんやかんや考えているとアサネが着替え終えて出てきたので、すぐに朝食の準備をしてある大広間に行く。本当つくづく思うのだが、何故人は大きいところで食べようとするのか、、、別にこじんまりしててもいいのでは?と元下民的存在の僕は今でもそう思うのであった。
「では、お嬢様。今日のご予定ですがーーー」
そして僕はそのことを全て伝えるとアサネの方に向き、
「今日の魔法訓練、、、ですが、、、私が直々にすることになりましたのでよろしくお願いします。」
「え?いつもの先生は?」
「カクソ公爵に買収されました。剣の方もですが、、、ま、私はどちらも行けますので安心してください」
「そう、、、ありがとう。」
少し悲しそうにしながらも僕にそう呟き
「いえ、私は執事なので。そう言うことをできないと貴方様を守ることが出来ませんから」
(本当は少しかくその野郎に感謝してる、、、だってアサネ様は私の近くに来てくださるだけで、眼福ですから)
そう思いつつ。勉強、体術の授業を受けつつ、午後からは魔法の練習が始まった。
「さて、アサネ様。次は魔法でございます。基礎は出来ていることはわかっておりますので、、、私、ダルカナの十八番、、、冥天魔法でも教えましょうか」
「え!いいのですか⁈」
「もちろん!推しには死んでほしくないし、強くなったらなったで僕は歓喜しながら泣ける自信あるんで」
ちょっと早口になったが、これは僕のオタク気質なのところがまた現れたのだろう。
「オ、オシ?なんのことかわからないけど、とりあえずお願いするわ!」
「お任せください!これは一応スキルなのですが、手に入れ方はとってもシンプルです!」
「はい!先生!まず冥天魔法がわかりません!」
「そこからですか。わかりました。まず、冥天魔法とは普通の魔法の100倍、千倍、一万倍の威力差があります。なのに対して魔力コストが普通の魔法より何倍も少ないという反則魔法です。」
「それを手に入れられるのね、、、強すぎないかしら?」
「いえいえ、これは序の口です。そうですね、、、二つ目の有益情報は手に入れられたご褒美としてあげましょう。まずは手に入れ方です。」
「はい!先生!」
「まず一つ目の手に入れ方は、、、正直めちゃくちゃおすすめできません、、、『我の力は世界最強で偉大なもの、、、我が漆黒に染まって我が力となれ!』、、、と黒いローブに黒い魔法帽子を着て詠唱する、、、正直進めたいですが、、、もう一つは死ぬギリギリまで魔力を放出、、、ですね」
「一の方が楽な気するのだけどーーー」
「お嬢様!物理に痛いか、精神が痛いか、、、どっちがいいですか?私は絶対に物理の方がまだ幾分マシです、、、黒歴史になるよりマジで、、、」
という彼は物理の方に行ったが、彼女はーーー
「我の力は世界最強で偉大なもの、、、我が漆黒に染まって我が力となれ!」
と、黒い格好をして言い切った。それと同時に彼は悶えて倒れてしまった。大ダメージを与えたようだ。
「まぁ、、、手に入れられたのでよかったです、、、では、、、貴方に最後にやってもらうことがあります。」
「はい?なんですか?先生。」
「その魔法は私の代名詞冥天王のものです。基本的な魔法だけまず覚えてください、、、それ以外使わないこと、、、特に学園入ったら。」
「は、はい、わかりました。」
「では、冥天魔法の魔法を教えていきますね!」
そうして詳しい冥天魔法の講座が始まった。
「まずこの魔法の詠唱は、『全てを超える超越されし炎の源よ。今原点へと回帰し、全てを焼き尽くせ。冥天炎』」
そう呟くと的を完全に跡形もなく消し去った。
「さ、すがすぎる、、、これが、、、冥天魔法、、、」
アサネは目を輝かせて見てくれたり、聞いてくれた。
「では、変わって次は剣の授業です。」
「やっぱ剣の先生もーーー」
「いや、あの人は貴方の親の執事ですからね?裏切りではありません」
「で、ではなんで、、、」
「え?ただ変わってもらっただけです」
「え?それいいの?貴族絡みのことをそんな簡潔にしていいの?」
「いや私逆魔王なもので、、、全て可能にしちゃうんですよね!」
「これが冒険者、、、」
「冒険者は傲慢なんですよ!僕含めてね!では!始めましょうか!と、いってもあれなので〜、、、僕流の剣術を見せてあげます。」
「おぉ!見してください!」
「お任せあれ!霊流ーーー天下統一!!」
刹那、僕は雷の如き速さで剣を上段から切り裂くように袈裟斬りを放つ。
まさに至高の一振り、、、といっても努力もクソもない。ただ身体能力向上、身体能力強化、魔力による身体能力の向上を繰り返しして、時空魔法でそのフルパワーのところで止める。を繰り返し、自分の体が耐えられる限界までバフをかけて放った一撃なのだ。これを実現する方法は簡単。身体能力向上、身体能力強化、そして僕には不可能だった。冥天魔法の冥天強化。これだけで俺の天下統一と同じことができる。要は冥天魔法は最強ということだ。
「せ、先生、、、それ私に出来ますか?」
「冥天魔法を俺の次に完全に習得したんだ。それも俺よりかは遅いけどほぼ同じスピードで。それも僕が出来なかった冥天強化さえ出来る、、、それにそれだけで天下統一は放てる、、、今なら君はSSS級2位にはなれるよ」
「ヘ?そ、そんな、、、先生ですら出来なかったことが出来て、、、私、、、嬉しいです!」
それから彼女は天下統一の練習をして、、、ものの数時間でそれを可能にした。
「まだ精度は低いけど、、、劣化コピーならこれで完璧だね。さて、次の技行こうか。
霊流ーーー威風堂々。」
横長一閃をしようとすると同時に斬撃を放つ時刀身がブレる斬撃を放つ。
「これは少しマジックな感じかな?斬撃を放つと同時に腕のどこかを叩いてブラす。先程より簡潔で分かりやすい剣技だ。」
「これなら簡単に出来そうですね!」
これについてはものの数分で習得することが出来る。
「いやぁ、、、思ったけど、、、すごすぎじゃない?剣聖技より強いんだけど、、、それをこんな簡単に、、、今の君なら魔族倒せるよ。」
「そ、そんなヤバいものなんですね、、、そりゃ世界ランキング一位ですからそれでもわからなくわないですけど、、、」
少し呆れた目で見られた。正直彼女なら全部教えてもいいんだよな、、、推しだから。多分この先も僕を倒せる人間は現れない。世界最強だからこそ、、、僕は誰にも負けないし、負ける気はない、、、でも、、、推しの彼女には、、、負けてもいいと思ったし、、、この天才には負けていいと思ってしまった。
「さて、、、最後は私の奥義、、、霊流、、、盛者必衰の理」
刹那、時が止まったかのように周りが静かになり、次の瞬間遅れて周りにいた生物、、、といっても私や、館の人、近くにいた人達には特に被害なしで、空に飛んでいた鳥、小さな虫が全て真っ二つに切られていた。
「、、、先生、、、その技って、、、」
何かに気づいたようで。
「多分だが、、、合ってるぞ?剣聖技の最強の技。無天星斬に似せた技。、、、対象を決めて斬る技だな。だが、それの上位互換だ。
魔力操作は出来るだろ?とりあえず魔力操作で体外に出して放てるように今日はしよう。」
そして今日最後の授業が始まるのだった。
「魔力操作の容量は体の心臓にある魔力を認識し、それを体に巡らせるように動かす。それをまず五周するまでやるんだ。」
「はい!」
そうして黙々と彼女は魔力操作を始める。最初は魔力がずれたり、魔力が止まったりしたが、三周までは連続で出来るようになっていた。
「さて、今日は終わろうか。」
僕がそう言うとアサネはまだ出来ると目で訴えてくる。確かに推しの頼みだ、、、でも、、、こればっかりはどうにもならないのだ。
「とりあえず明日は五周させて、次の演習に進みましょう。」
そうしてその日は執事の仕事をして彼女は寝たので仕事を終わらせて寝るのであった。
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