第20話 帰国して見たもの

「ただいまあ。」

「パパ。おかえり~。」

「お土産なに~。」

「じゃ~ん。」

 子どもたちに、どっさりのお土産をプレゼントした。タイの雑貨やお菓子に子どもたちは喜んでくれた

 「はい、ママにはこれ。」

 タイシルクのスカーフと美しいソープカービング(石鹸)を渡した。

「ありがとう。パパ。嬉しい~。」

 瞳は、さっそくスカーフを首に巻いてくれた。ああ、俺はやっぱり瞳を愛している。好きなんだ。


 楽しい夕食も終わり、子どもたちは子ども部屋へ入った。夫婦で久しぶりにお茶を飲んでいた。

「タイで変なところへ行かなかったでしょうね?」

 瞳が急に聞いてきたので、慌てて

「変な所って、なんだよ。」

「女の人がいるところ。浮気しなかった?タイって有名なんでしょ。」

「ま、まさか。そんなことする時間・・・。」

 言い訳をしかけた時、

「行ってもいいんじゃない。女の子のいるところ。」

「え?」

「私とはしないんだし、風俗とかで処理してもいいのよ。」

 そう言ってお茶を入れ替えるために席を立った。

 愛する妻から、こんな言葉を聞くなんて・・・・・。呆然としていると、テーブルの上の瞳のスマホに、LIMEのポップアップが一瞬浮かんだ。


「晴美さん」 

 なんだ、ママ友からか。

「不倫ダブルデート作戦、準備できたよ。・・・・・・。」


 すぐに消えたが確かに見た。俺の体と心の芯が冷えていくのが分かった・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る