あかねちゃんの赤とんぼの歌が聞こえる -歴史の闇に隠された東京大空襲の偽りと真実-

はじめに

「あなたは『東京大空襲』を知っていますか？」

　「名前は聞いたことがある。たくさんの人が亡くなったことくらいは知っている」

　と、いう人もいるかもしれない。

「東京大空襲」の死者数は８万人といわれているが、一説には15万人から２０万人といわれており、正確な人数は不明である。毎年、原爆の日には、核兵器反対として、広島、長崎が注目を浴びているが、東京大空襲も決して、歴史の闇に埋もれさせてはならない。

　わずか二時間余りで10万人余りの人が亡くなっているのである。

　そして、「国際ルール」では、

「攻撃は軍事目標に限る」

「市民への爆撃を行なってはならない」

　と、決められていたにも関わらず、アメリカ軍はこれに違反している。

　アメリカは戦争という名のもとに全く罪もない子供たちを、逃げ惑う人々を無差別に攻撃し、殺戮（さつりく）を繰り返した。

　もちろん東京だけではない。全国各地で無差別爆撃が行われてきた。日本政府は「戦争責任はない」と、補償問題に目を背（そむ）け、被災者に対する補償をひとつも行なって来なかった。

　そして、日本は愚かにも東京大空襲の指揮をとった、アメリカの総司令官に勲章まで、授与しているのである。

　どうか、「昔のことだから」とか、「終わったことだから」と、知らなくてもいいと、無視するのではなく、過去のあやまちを見つめ直し、知ることからはじめてほしい。「平和」という看板だけ掲（かか）げて、中身を知らなければ、また、あやまちを繰り返してしまうかもしれない。

　大切なことは過去を知ることにある。たくさんの犠牲の上に日本の平和があることを知ってほしいと心から祈らずにはいられない。

　本当の平和とは何か？

　過去の歴史を紐解（ひもと）くことからはじめよう。