第9章 封印の試練
山麓の谷を抜け、古代の神殿跡にたどり着いたデューンたち。
そこには二つ目の水瓶の封印が静かに鎮座していた。
「ここが二つ目の封印……」
アメリアの声は震えていた。
「封印はこの地の時空に根ざしている。解除しようとする者は、幻惑と試練を受けることになるでしょう」
「試練か……またか」
シリューが聖剣を握りしめる。
「でも私たちはもう怖くはない。未来を守るために来たのよ」
アポロンは腕を組んだまま周囲を睨む。
「くだらん。私にとって試練など、ただの暇つぶしに過ぎぬ」
だが、女神の幻影が背後に現れると、彼は一瞬黙り、光を帯びた刀マサムネを構えた。
(女神の命と秘宝の力による行動――彼も抗えぬ存在だ)
谷の奥に踏み入れた瞬間、空気が歪む。
水瓶の光が波のように広がり、全員の視界を覆った。
「ここ……何かがおかしい!」
ミルフィーが叫ぶ。
目の前の光景は変わり、仲間の姿が歪んで見える。
デューンは剣を握り直す。
「冷静になれ! 幻惑に惑わされるな!」
すると、幻影の中から敵の声が響いた。
「仲間を信じる心は試される。
疑い、恐怖……その心を砕くがよい」
幻影は仲間たちの姿をねじ曲げ、互いに戦うように見せかけた。
「デューン……あなたは、私たちを信じていますか?」
アメリアの幻影が問いかける。
「お前……!? いや、俺は……!」
デューンの心に揺れが生じる。
その時、アポロンが冷ややかに声を発した。
「……ほう幻覚ごときで私を翻弄するつもりか?だが幻覚など、光で焼き払えば消える」
黄金の光を放つと、周囲の幻影がひび割れ、真実の風景が戻ってきた。
だが光の影響は全ての幻影に届かず、一部はなお残っている。
「まだ、完全には消えていない……」
アメリアが杖を掲げ、呪文を唱える。
「皆、手を繋いで! 信じる心で封印を守るのです!」
デューンたちは互いに手を取り合い、心を合わせる。
その瞬間、水瓶の光が彼らを包み込み、試練の力が消え去った。
「……封印を守り抜いたのか」
アメリアが安堵の息をつく。
「ふん……私の力も役に立ったな」
アポロンは不敵に笑ったが、背後の女神の幻影に軽くうなずく。
(あくまで命令による協力――彼の態度は揺るがない)
谷の奥にある封印は、以前と変わらぬ輝きを放っていた。
水瓶の力はまだ封じられている。だが、封印を揺るがす存在の影は、より濃くなっていた。
デューンは剣を握り直す。
「次の封印も、必ず守る……!」
ミルフィー、シリュー、ポルナレフ、アポロン、そしてアメリア――
新たな仲間を加えた一行は、次の試練を覚悟し、旅路を進むのであった。
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