第10章 暗躍する影



二つ目の封印を護り抜いたデューンたちは、安堵の息をつく間もなく、次なる旅路へと進んでいた。

だが、静寂の裏には、不穏な気配が忍び寄っていた。


「封印を守り抜いたのは良い兆しです……でも、奴らもこのまま黙ってはいないでしょう」

アメリアが険しい表情で言う。

「黒の従者たちは虚無の王の命に従うだけではありません。

彼ら自身が、封印を狙い人々の恐怖を利用するために動くでしょう」


「……つまり、次は策略か」

デューンは短く息を吐き、聖剣を握り直す。

ポルナレフ:「力だけじゃなく、知恵と警戒も必要になるってことだな」


その言葉通り、平原の町や村では異変が起こり始めていた。

魔物の襲撃や、突如として発生する時空の歪み――。

人々は恐怖に怯え、混乱の中で逃げ惑っている。


「封印を揺るがす力が、町の人々に直接影響を及ぼしている」

ミルフィーが周囲を見回し、杖を握りしめる。

「これでは封印を護るどころか、世界全体が危険に……!」


アポロンは腕を組んで立ち、冷たい声で言った。

「まあ、戦うのは構わんが、私の力も万能ではない。

女神の命と秘宝の力があっても、策略に惑わされれば時間を無駄にする」


「ならば、策略を見抜く力を持つ者が必要だ」

デューンは仲間たちを見渡し、決意を込める。

「俺たちの連携を強化する。互いに目を配り、隙を見せるな」


その夜、暗闇の中で黒い影が動いた。

不完全な状態で玉座に鎮座する虚無の王との手先――漆黒の従者たちが、次の封印を狙い密かに集結している。

「人間共め、二つ目の封印を守ったか……だが、奴らの油断は長く続かぬ」

黒の従者の一人が低く呟く。

「この世界の秩序を崩すため、策略を仕掛ける時が来た……虚無の王のおでましだ」


黒の従者達が玉座に鎮座している虚無の王にひざまずくなか一つの一際他の従者とは比べ物にならない影が現れた


マルドゥクである。



虚無の王「して、マルドゥクよ、なぜ貴様だけ逃げ延びたのだ?」


マルドゥク:「申し訳ありません、奴ら、人間達の中に神々が紛れ込んでおり少々厄介な者が居りまして、名は、アポロン、太陽神アポロンと申す者です」


虚無の王:「太陽神アポロンだと?馬鹿な奴は、数十年前の戦いで人間達に滅ぼされたはず、何故今になって現れたのだ?だが、そんなことはどうでもいい、マルドゥクよ貴様の言い訳は聞き飽きた、任務をしくじった者がどうなるか分かっているな?お前はもう用済みだ、死ね。」


マルドゥク:「お、お待ちを!どうか今一度チャンスを!!」


虚無の王:「ならぬ、戦いに二度目はない!!」


カッ!!

ドン!!


虚無の王がマルドゥクを処刑する前に一つの淡い闇の光がマルドゥクの腕に命中した


虚無の王:「何奴!」

マルドゥク:「!?」


そこには黒いローブを全身に被った妙な人物が立っていた。


???:「そう暑くなるな、虚無の王よ、そやつの命わしに預けてみんか?」


虚無の王:「マルコシアス!!なんのつもりだ!」


マルコシアス:「チャンスをやってみろ、と言ってるのだよ、殺すのはいつでもできる、だがその前にわしがそやつをパワーアップさせてやろうではないか。」


マルドゥク:「パワーアップ!?」

マルコシアス:「そうだ、わしの持つ魔術力を結集し、あのアポロンより強くしてやろうというのだよ!」


虚無の王:「面白い、よかろう、やってみろ アポロンの首を切り落としてこいマルドゥク!!」


マルドゥク:「は、ははっ!!必ずや期待にお答えします」


マルコシアス:「いくぞ、マルコシアス!」


マルドゥク:「は、はい!」


マルコシアスはマルドゥクを連れて去っていった


虚無の王:「マルコシアスか・・・相変わらず何を考えているのかわからんヤツよ・・マルドゥクを使って何を企んでいるのか、見せてもらおうか!」


一方、デューンたちは夜営の最中、互いに警戒を続ける。

アメリアは静かに言った。

「次の封印は、これまで以上に守るのが困難です。

虚無の王は、力だけではなく、心や意志を揺さぶるでしょう」


アポロンは微かに笑った。

「……私の力があれば大概の脅威は排除できる。

だが、戦いが長引けば……女神の命と秘宝の力に頼らざるを得ない」


デューンは聖剣を握り直し、星空を見上げる。

「……どんな策略が待っていようとも、俺たちは進む。

世界を、仲間を、そして封印を守るために――」


夜風に揺れる草の音の中、暗黒の影は次の行動を静かに準備していた。

虚無の王の策略――それは、デューンたちの前に待ち受ける試練の序章に過ぎなかった。


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