第8章 虚無の王の影



森を抜け、再び平原に出たデューンたちの前に、夕陽が傾きかけていた。

だが空には、赤黒い雲が渦巻き、風が異様に冷たく感じられる。


「……封印を狙う者たちの気配は、まだ近くにある」

アメリアが杖を握りしめ、眉をひそめた。


「アメリア……何か感じるのか?」

デューンが尋ねると、彼女は静かに頷く。

「水瓶の力は、時空に痕跡を残す。

封印を解こうとする者、そしてその背後――虚無の王……奴の存在も感じます」


その言葉に、ポルナレフが額に汗をかきながら言った。

「虚無の王……なんて厄介なやつなんだ。

……っていうか、あの黒の従者たち、まるで奴の手先みたいだな」


アポロンは少し顔をしかめ、腕を組んだまま空を見上げる。

「……ああ、奴の気配は強い。

女神の命と秘宝の力があっても、この世界の秩序を乱すには十分すぎる」


「ならば、二つ目の封印を確かめるしかない」

デューンは聖剣を握り直す。

「封印を護り、水瓶の力を封じれば……奴の計画も阻止できるはずだ」


その瞬間、地面が微かに震え、視界の端に黒い影が揺らめいた。

「来る……!」

アメリアが警告する。


突如、黒の従者の一団が現れ、封印のある山麓を目指して突進してきた。

その中心には、再びあの漆黒の鎧を纏った男が立っている。


「二度目の出会いだな。封印を護る者たちよ」

その声は冷酷で、周囲の空気を凍らせる。


「奴らは……虚無の王の手先!」

シリューが聖剣を構え、仲間たちに目配せする。


戦闘が始まる。

アポロンはマサムネを構え一歩前に出て光を放つ。

「余計なことは言わせるな。マルドゥクよ、貴様と闇の眷属を一掃する」

だがその光も、黒の従者には完全には効かず、戦いは拮抗する。

アポロン:「なるほど、なかなかやるようだが、これならどうかな?メテオスフォーム!!!!」


凄まじい轟音と共に黒の黒の従者とマルドゥクの上空に無数の炎の塊が降り注いだ!


凄まじい爆音と共に黒の従者は一瞬にして、灰へと姿を変えたのだった


アポロン:「さて、残ったのは君だけだが、何か言い残すことはあるかね?」


マルドゥク:「くっ、流石は太陽神と呼ばれることはある、太陽神アポロンよ、この勝負一旦あずけておくぞ!!」


そう言い放つとマルドゥクは黒い煙の中に消えていった・・・


アポロン:「やれやれ、逃げるのだけは一流のようだ、次は私をせいぜい楽しませてくれ」

アポロンは落胆するように言った



危機は去ったがアメリアは呟いた。

「……奴らは封印の力を感知して動いている。

つまり、虚無の王はすでに二つ目の封印を狙っている」


ミルフィーが焦るように言う。

「このままじゃ町や村が巻き込まれる……どうすれば……」


デューンは鋭い視線で先を見据えた。

「俺たちはここで逃げるわけにはいかない。

二つ目の封印を護り、奴らの企みを止める。それが俺たちの使命だ!」


アポロンは冷たい笑みを浮かべる。

「……仕方がない。女神の命と秘宝の力がある限り、私は戦う。

だが私は君達の命令では動かん。誤解するな」


デューンは小さく頷き、仲間たちを鼓舞する。

「わかってる。互いの利害が一致しているだけだ」


森の中での戦闘が終わり危機が去った後、空には黒い渦が巻き、虚無の王の影が少しずつ輪郭を見せ始めた。

その姿は人の形をしていながら、時間と空間を歪める存在そのもので、世界に迫る危機を象徴していた。


「奴の力……この世界の秩序を変えてしまうかもしれない」

アメリアは震える手で杖を握る。

「……私たちの力だけでは、到底太刀打ちできないかもしれません」


デューンは鋭い眼光で前を見据える。

「だからこそ、俺たちは戦うんだ……!」


封印を巡る戦いは始まったばかり。

しかし、虚無の王の存在が、デューンたちの旅路を大きく揺るがしつつあった――。



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