No.3 (第8話)の感想

 8つ目のお話です。



>或る欺罔者の独白


 難しい字ですよね。

 欺罔=ぎもう、きもう、と読みます。

 あまり使わないですが、人を騙す、という行為を指したように記憶してます。

 法律用語でしたっけ……。



> おお、怖えー。話題の騎士様のご登場だぁ!


 冒頭から想像ができます。

 悪さをしている奴が、駆け付けた?正義の人を相手にして猛る言葉です。



> おっかねぇな、そう怒んなって。

> 俺らはちょぴぃっと村のいくつか潰しただけじゃねぇか。王国きっての騎士様の出番じゃねーよ。


 想像通りの悪人っぽいですね。

 ちょぴぃっと、なんて言える時点で悪人認定です。



> あん? しらねぇのかよ。ここいらの盗賊全滅させてみろ。不思議と周辺の村々から男が消えてっから。俺はそんなカスを畑の肥やしにしてやって、もういらなくなったモンを有効活用してるだけなんだぜ?


 うーん?

 つまり貧しい村の男衆が、食うに食われず、盗賊に身をやつしていたと。

 それをこの悪人が手を下し、その村を「有効活用」していたわけですね。



> 見ろよ。俺の手下どもがみーんな怖がって逃げちまった。結果ひとり待ってたワケだが……なんともお寒いもんだ。

> ええ? いいんだよ、どのみちお前からは逃げらんねぇだろ? ここで頭目として最後の決闘ってのも、オマエら好みの展開だろーが。


 駆け付けた騎士様はとても強く有名なのでしょうね。

 待ち受けていた悪人の手下が離散してしまったようです。

 そして、この悪人はそれも織り込み済みで、この騎士様との決闘が避けられぬと悟っていた。


 正義云々は置いておくとして、先見性はありそうな悪人です。



> セイセイ……ドードーぉ?

> ……プッ! ブッハッハッハッハ! 正々堂々って、マァジで言ってんのかよ……!

> くっははははは! 笑える! 面白すぎるってさすがにィッひひひひひはははははははは!!

> ひぃ、はぇ……ふぅ、っふふふふダメだはははははははは!

> ええぇ? いや笑うだろぉオマエ!


 おっと。悪人が挑発かと思うくらいに馬鹿笑いしてますね。

 悪人っぽい笑い方です。



> 絶対に勝てる聖剣ぶん回して! 

> 絶対に負けない鎧にくるまって!

> そんで、ふっ、なんだぁ?

> 尋常にぃ? 正々堂々ぉ?


 RPGあるあるですね。

 強くしすぎた主人公でボスに突っ込んだときみたいです。

 そういうボスって、こうして力の差を感じながら戦っているんでしょうか。



> おんもろすぎぃ! あっはっはっはっはっはっは!!

> いやぁ、すげえよ、すげえ! 騎士道精神感じるってェ!

> あん? ——おいおい本気か?

> 鎧外すか普通。いや、文句なんざねぇけどよ。


 騎士様、挑発に乗る。

 凄いですね。何か策があるのか、覚悟があるのか。



> ああ……これで互いに敗北し得るって意味で対等だわなぁ。

> ま、聖剣だけでもやばいっちゃそうなんだが……まさか本気で鎧を捨てるたぁ思わなかったぜ。

> ひとり残った俺への敬意ってヤツなのか?

> うっわぁ……ほんっとに気色わりぃな。オマエら。命をなんだと思ってやがんだか。


 騎士を謀った悪人。

 勝ったつもりな雰囲気です。  




> ————総員、放て。


 ――え?






 以上です!


 最後の部分。規律のある掛け声っぽいので騎士様の味方への号令でしょう。

 つまり悪人が逃げないよう挑発しながら、足止めをして。

 その間に構えた弓兵か何かが周囲から矢を放った、ということでしょう。


 どちらが欺罔者だったか、というお話ですね!


 セリフや描写を入れれば、普通にワンシーンですよね。

 面白かったです!




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