むしけら

丫木青逆

むしけら

空蟬は小匣に仕舞えこの夜はアルゴー船もばらばらになる


ハレー、君を見つめる人は君をけして毒だと言わなかった人


わたしのこんぽんはこんこんと冷たいまま 神話に恐竜は描かれない


かたつむりをつついた夜は氷嚢の上で四角い校舎燃え尽く


ゆーとぴあ謳う広場に立ちならぶとぴありーはーとに削られて


ひさかたのさわれぬ空をはちがつと呼ぶからからとふんころがしは


ビルはうつしよをうつすとうとろじいのとうめい鳥一羽の影たしか


いちまいの蛾が死んでいる 疾風はやて 駅前で人称うばひ去られて


うつぶせをめくる晴れ間のオカリナに蜘蛛の巣それはそれで綺麗だ


虫けらが悪口となることわざの国 足おそいから歌っている

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むしけら 丫木青逆 @ASUKA_YGI

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