第56話 リーグ優勝


 十月、最終カード。

 リーグ優勝をかけた直接対決は、まさに頂上決戦だった。勝った方が優勝、負ければ二位。シーズンをかけた大一番に、東京ドームは超満員となった。



 初回、先頭打者は勇気。

 相手のエースが放った150キロの直球に、勇気は迷わずスイング。打球は三遊間を破り、快音が響く。

 「よし、出た!」

 すぐさまスタートを切り、初球で二盗成功。観客席が大きなどよめきに包まれる。

 この一打で試合の空気が変わった。チーム全体が「今日はいける」と感じた。


 三回表、0―0で迎えた場面。

 勇気が再び四球で出塁し、二盗、そして三盗を決めた。スタンドは地鳴りのような歓声に揺れる。

 「頼むぞ、太陽!」

 勇気が三塁ベース上から叫ぶ。


 打席には俺。四番の責任を背負って立つ。

 相手投手が投じた外角直球を、迷わず叩いた。

 「カキィン!」

 打球はセンターの頭上を越え、フェンス直撃の二塁打。勇気が悠々と生還し、待望の先制点をもぎ取った。



 試合は一進一退の攻防となった。

 七回裏、1点リードの場面で相手の四番打者が放った大飛球を、勇気が全力で追いかける。フェンス際でジャンプし、白球をグラブに収めた。

 「うおおお!」

 大歓声がドームを揺らす。勇気のスーパープレーが、チームを救った。


 九回表、最後の守り。

 マウンドの投手が三振を奪った瞬間、試合終了のコールが響く。

 「リーグ優勝! 東京レイダース!」

 仲間たちが飛び出し、俺と勇気も抱き合った。



 胴上げの輪に加わりながら、俺は心の奥でつぶやいた。

 「和哉……俺たちはここまで来たぞ。次はお前を倒して、日本一だ」



 こうして、太陽と勇気はプロ一年目にしてリーグ優勝を勝ち取った。

 だが物語は終わらない。

 ――この先には、日本シリーズ、そして再び和哉が待っている。

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【祝10000PV感謝】プロで挫折した俺、逆行したら最強打者になっていた件』 兎龍月夜 @choko12

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