第9話「石像の守り手と最後の謎」
闇の回廊を抜けると、広がっていたのは不思議な空間だった。
天井まで届く巨大な柱がいくつも並び、まるで神殿のように厳かな雰囲気を放っている。
柱の中央には、島の奥へと続く大きな石の扉がそびえていた。
「きっと、あの扉の向こうが島の核心だ!」
リクが拳を握る。
だが――扉の前には二体の巨大な石像が立っていた。
戦士の姿をした石像は、ゆっくりと目を光らせ、地響きを立てて動き出した。
「ひえぇぇ! 動いたぁ!?」ミミが飛びのく。
ポコが急いで上空から観察する。
「二体とも、扉を守ってる! 近づけば攻撃されるぞ!」
ググが床を軽く掘ってみるが、すぐに硬い岩盤に阻まれる。
「下からは無理だぁ!」
カイは冷静に石像を見て、つぶやいた。
「よく見て。胸の部分に光る紋章がある。…あそこが弱点かもしれない」
リクはうなずき、仲間たちを見回した。
「けど、ただ突っ込んでもやられる。これまでの試練みたいに、頭を使わなきゃ」
その瞬間、石像の一体が腕を振り下ろし、床が大きく砕けた。
ミミはあわてて飛びのき、叫ぶ。
「ちょっと考えるヒマもくれないじゃん!」
リクが指示を出す。
「ポコは上から動きを見て、合図を頼む! ググは床を揺らして注意をひけ!」
「任せて!」ポコが飛び回り、石像の視線を引く。
「や、やってみるぅ!」ググが必死に地面をたたいて土ぼこりをあげた。
その間にカイは発明した小型の鏡装置を取り出した。
「これで光を集めれば…! ミミ、ランプを貸して!」
「うん!」ミミがランプを差し出すと、カイは鏡で光を反射させ、石像の胸の紋章へと狙った。
キラッ――! 強い光が紋章を照らすと、石像が一瞬だけ動きを止めた。
リクはその隙を逃さず叫ぶ。
「今だ、全員で声を合わせるんだ!」
「進ませてくれ!」
「扉を開きたいんだ!」
仲間たちの叫びがこだまし、光はさらに強く輝いた。
石像は大きな音を立てて腕を下ろすと――やがて動きを止め、静かに元の場所へ戻った。
重々しい扉が、ギィィ…と音を立てて開き始める。
中からは、柔らかくも不思議な光があふれ出した。
リクは一歩踏み出し、振り返って仲間に言った。
「これが…最後の扉かもしれない。みんな、行こう!」
三人と二匹は顔を見合わせ、力強くうなずいた。
こうして、ちびっこたんけんたいは――島の最大の秘密へ足を踏み入れたのだった。
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