第5話「光のアーチ」

金色のコンパスの針が、ぴたりと森の奥を指していた。

そこは昼間でも暗く、木々がからみ合って道もわかりにくい。


「ちょっと、こわそうだね……」ミミが声をひそめる。

「でも、コンパスが教えてくれてるんだ。行くしかないよ」リクがきっぱりと言った。



森の入口に足をふみ入れると、空気がひんやりしている。

木のすき間から、細い光がすーっと差しこみ、道を示すようだった。


「この光をたどればいいのかも!」カイが目をかがやかせる。

「ボク、上から確認してくるね!」ポコが羽ばたき、森の中を見おろした。

「うん! 道はちゃんと続いてるよ!」


ググはというと、どきどきしながら小さな穴を掘っていた。

「みんなが通れなくなったら、ボクがトンネルで近道をつくるからね!」



やがて、一行は不思議な場所に出た。

木々の間に石でできた小さなアーチが立っている。

古い文字がびっしり刻まれていて、カイがじっと読み取る。


「……“ここをくぐる者、ひとつ心をためされる”って書いてあるよ」


その瞬間、アーチの奥がふわっと光った。

金色のコンパスの針も、その光に向かって震えている。


「また試練みたいだな……」リクがつぶやく。

でもすぐに顔をあげて言った。

「大丈夫。ぼくら、みんなで力を合わせればきっと進める!」



ポコが羽をふるわせ、ググがこくんとうなずく。

ミミとカイも笑顔でうなずき返す。


そして――

ちびっこたんけんたいは、光のアーチをくぐった。

次の試練が待つことを知りながら。


リクは空を見上げて、力強く言った。

「ここを抜ければ、島の秘密にもっと近づけるはずだ!」

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