大磯の夏

花尾歌さあと

第1話:夏の疑問

「大磯ロングビーチは素晴らしい。」

敬意しかない。

バカになりそうなくらいお伺いしているが、本当に素晴らしい。


2025年も、夏が来た。ありがたい。

年々、「夏の期待に応えられるか!」というより、「夏の基体に堪えられるか?」と、

薄々、不安になったりする。

若いときには思いもしなかった。もう日帰りでは到底伺えない体になってしまった。

ひとは一秒でも、若い方がいい。

「いい」というより、「楽だ」というべきかもしれない。


今年の夏、なぜか夫は釣りを始めた。まったく釣れない。


ひとりやたら早起きをして、釣り糸を垂れ、にやにやしながら、手ぶらで帰ってくる。

おかしいなぁ…、釣れないなぁ…。

そう言いながら、レモンサワーを飲み、空と雲を眺めながら、プールに浮いている。

素敵な午前中じゃないか。大磯プリンスと大磯ロングビーチに感謝だ。


しかし仮に釣れていたとしたら、彼は一体、どうするつもりでいるのだろう…。

私はいつも疑問に思う。

プールに浮かぶことなく、帰ることになるのだろうか…。


私は毎回、お魚たちにの賢さに、密かに感謝をしている。

今日も私たちを、大磯ロングビーチに浮かばせてくれて、ありがとう。


今年の夏も、始まっています。



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大磯の夏 花尾歌さあと @atoryo

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